途中、帰り道の階段を踏み外しそうになったりなどハプニングがありつつ、なんとか自分の住んでいるマンションの一室に着いた私はもう少しで私を捕まえられそうな不気味な化け物を目にして焦りながらもポケットから何とかキーを出し、それを使い、一瞬ですぐにドアを開けて鍵を閉めた。
なんとか生きて帰ることができた私は玄関のドアを背に玄関でへたり込むと、
ドタ!ガシャン!ダアン!ドアン!
と金属を強く叩く音と物凄い衝撃が背から全身に伝わってきた。
本能であの化け物がドアを叩いていると気がついた私は、耳の穴を塞ぎ、赤子のような泣き声を出しながら大粒の涙を出す。
そんな、最悪もいいところな状況から少し経った後、音が鳴り止みインターホンが鳴った。
鳴ったインターホンの画面を見ると、そこには隣の部屋の住人が映っていた。どうやら、俺のことを心配してインターホンを押したらしい。
安心した私は隣人に事の顛末を話したが、疲れすぎて変な人に追われているのを化け物に追われていると勘違いしただけだと諭された。
それから私は嫉妬することがなくなった。
というかできなくなっていた。
妬ましいという感情すら芽生えないほど、あの時感じた恐怖で私の頭の中がいっぱいになっているからだ。
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