……待てよ。二人はどこにいるんだ?
リビングにはいないだろう。ここからは見えないけれど、流石にこれだけ大きな物音を立てたら気付くはずだし。
ということは、寝室か、もしくは加奈の部屋か。
いや、それでも気付かないわけがないだろう。
では、息を潜めてこちらの様子を伺っているのだろうか。
本当に、そうなのか?
……考えたくもないが、まさか……まさか……
「二人を……どうした」
絞り出すようにそう訊いた俺に「二人?」と返す強盗。
惚けているようにも見えるし、本気で心当たりがないようにも見える。
ただ、ここで演技をする意味なんてあるだろうか。
むしろ、彼女たちを人質にでもしたほうが余程効率的なのではないだろうか。
というか、本当に知らないのであれば、ここで俺が家族の存在を匂わすのはどうなんだろう。
余計な情報を与えて、二人を危険に晒すだけなのでは……。
俺の逡巡を意に介さず、三本目の指が折られる。
痛みも恐怖も、なぜか薄らいでいた。
家族の安否が気になって仕方がなかったから。
「……お前、さっきから何をブツブツ言ってんだよ。もしかして、誰か部屋にいるのか?」
まずい! やっぱり二人は無事だったんだ。でも、これで知られてしまった……。
こうなったら、俺がこいつを引き止めて――
「お前、なに企んでんだよ」
人差し指が、関節とは逆に折れ曲がる。
左手はもう全く使えなくなってしまった。
ここで俺の中で消滅しかけていたはずの恐怖心が一気に膨れ上がる。
妻子を守るために犠牲になる覚悟はある。あるが、それでも流石に命を失うのは抵抗があるし、この後どんな拷問を受けるんだろうと想像するだけで気を失ってしまいそうになる。
命の代わりに失うのが意識だけなのだったら大歓迎なのだが。
「なんでお前、笑ってんの?」
「え?」
素で、訊き返してしまった。
笑ってる? 俺が? この状況で?
























感動や🥹
マジで伸びて欲しい。この人の書く話が好きすぎる。