一瞬思い浮かんだが、すぐに思い直した
んなわけあるか
「ごめん。何でもない。それより女子部屋に行こうぜ!」
俺は無理やり話を変えた
次の日
またつまらない寺巡りが始まった
Aを見てみると昨日はあんなにはしゃいでいたのに今日は静かだった
というか、かなり表情が暗かった
ずっと俯いている
なんだ? 夜更かしでもして眠いのか
俺はAに話しかけた
「よう。実はさ昨日、部屋で変な声聞こえたんだ。屋上に行こうってな。お前のいうことホントかもな。行方不明になった生徒だったかも」
きっとAは喜んでまた得意げに話し出すだろう
そう思った
だが、返ってきたのはまったく違うものだった
「・・・そうか」
そう言うだけだった
そのまま行こうとするから呼び止めた
「おい。どうしたんだよ? 体調でも悪いのか?」
「・・・」
何も答えずに行ってしまった
その日の宿泊場所は昨日と同じホテルだった
食堂で夕食を食べ、部屋に戻る
その途中、Aの姿を見かけた
フラフラとホテルの奥に歩いている
まるで浮浪者のようだった
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