他の班の男子は女子の部屋に乗り込もうって盛り上がっていたが、俺は外の景色を見てぼーっとしていた
外は真っ暗だった
山々の輪郭がぼんやりとだけ見えていた
俺はAの話を思い出していた
このホテルで修学旅行生が行方不明になった
いくら探しても見つからなかった
本当に夜な夜な現れるのだろうか
いや、そんなもの出てくるわけがない
バカらしい そんなわけあるか
心の中でそうつぶやくと、後ろで声がした
「なあ、屋上にいかないか」
「屋上? なんで?」
俺が振り返ると、そこにはきょとんとした顔をした班のみんながいた
「急にどうしたんだ?」
「いや、屋上に行こうって言っただろ?」
班のみんなが一斉に首を横に振った
「いや、言ってないぜ。なんでそんなとこ行かないといけないんだよ?」
「そもそもいけないんじゃないか? フツーに鍵かかっているだろ」
演技をしているようには見えなかった
本当に、いきなりどうしたという表情だった
気のせいか
いや、気のせいにしてははっきり聞こえたけど
班のみんなじゃない
じゃあ、誰?
昔、行方不明になった修学旅行生?
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