「うわぁぁぁぁ」大きな声を出してしまったので、それに気づいた祖母が急いで部屋に入ってくる。
「どうしたの!?」
昨夜あったこと、人形が落ちてきたこと、それらを箇条書きのように説明すると、祖母は
「ああ、ダメだったか」
と言った。
「このお人形ね、夜になると歩いちゃうの。そっか、ダメだったのね」
その後、お寺に人形を持って行くことにした。姉には「落ちて壊れたから預けたんだよ」と言い聞かせ、なんとか納得してもらう。
お寺からの帰り道、祖母は
「あのお人形、歩いて帰ってこなければいいけど」
そうつぶやいた。
この話を聞いてしばらくしてから再度、大輔さんから連絡があった。
昨年の夏、大輔さんのお姉さんがお墓参りに行った際、偶然あのミルク飲み人形をお寺で見つけてしまったのだという。
40年の経年劣化で髪の毛は所々抜け、ボツボツと穴が空いており、「それを可哀想に思った姉は連れて帰ってきてしまったみたいで」と。
「だからあの人形、結局、帰ってきちゃったんですよね」
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