「じゃあ、やっぱり助けられてないんだ・・・」
「私にできるのはせいぜい線香を立てて安らかに眠ってくれと御祈りすることだけだよ」
「ニンニン、行こう!助けよう」朽屋の目に力が宿ったようだった。
「うん、そうだなっ!」忍足も立ち上がった。
その時、忍足はおっさんの霊が険しい表情で、斜め下を指さしているのに気が付いた。
恐らくそれは、1階にあるそのトイレの場所を指し示していると思われた。
廣神は二人を見て提案した。
「どうしても行くんだな。・・・じゃあその前に用務員室に寄って行こう。
あそこには大きな枝切ばさみが置いてある」
一行は用務員室で枝切ばさみを入手して、いよいよ問題のトイレの前にたった。
廣神が古びたトイレのドアを押して入る。
今は使われていない手洗い場に、小さな祭壇が作られていた。
廣神は毎日ここにもロウソクを灯して線香をあげていたのだ。
「あそこね」朽屋はツカツカと歩みを速めて一直線に一番奥の個室トイレに向かった。
開いたままになっている扉をさらに押しのけ、中をのぞく。
その瞬間、真っ暗な空間が一気に広がった。
「はっ!結界!!」驚く朽屋。顔を見合わせる忍足。
「うわぁぁぁ!!」叫び声をあげたのは廣神だった。
廣神がとなりにいたおっさんの霊を見て叫び声をあげたのだ。
「み、み、見える! おっさんだ!!」
「先生大丈夫!? 今、ここは結界の中なの。そのせいで霊が見えるようになったのかも」
廣神先生がおっさんに抱き着いている。
そんな中、真っ暗な空間の中に、スポットライトに照らされるようにしてトイレが現れた。つづいて、その上の空間から首吊りのためのロープがぶら下がってきた。
そしてどこからともなく現れた子供が、トイレの上に立ち、ロープを首にかける。
「ダメー!!」朽屋が叫ぶ。
「よし!!待ってろ!!」廣神はそう叫ぶと走って子供の霊の前に立ち、
ハサミでロープを切った。その瞬間、落ちて消える子供の霊。
「これで・・・これでイイのか?」
そう思った廣神だったが、どうもおかしい。


























kanaです。
自分で書いてて一番楽しい、朽屋瑠子シリーズです。
今回は小学校編ということで、ロリっ子朽屋の活躍にご期待ください。
尚、今回のお話は、以前こちらに投稿させていただいた「理科室の人体模型 VS チーム悪ガキ」というお話と、「【short_10】用務員のおじさん」のお話の解決編となっています。
あと、わかる人にはわかると思うんですが、ラストの戦闘シーンは某ネットミームを参考にさせていただいてます。わかる人は吹き出しちゃうかも。
それでは、ちょっと長いですけど、お楽しみください。
kanaです。さっそくなのですが、一部修正を入れました。
というのも楔形のカッコで音や擬音を表現していた部分があったのですが、
奇々怪々さんではなぜかこの楔形カッコで囲った文字は表記されないという仕様になっており、
そこだけ文字が消えていました。
まだ見落としがあるかもしれません。もし、おかしな部分を発見した方はご報告よろしくお願いします。
一気に読んでしまいました、瑠子シリーズ大好き☆
最高〜でした♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪いつもですけどwニンニンも小学生からの知り合いだったんですね(伏線回収?)次作楽しみに待っております♪♪♪
kanaです。↑コメントありがとうございます。楽しんでいただいて何よりです。
ニンニンは瑠子の1学年上の先輩でした。ボクの中の設定上では、この後ニンニンは瑠子に「同じ中学に行こうよ」と誘うのですが、瑠子はもうK女中等部に行くことが決まっていたので、ここで一旦お別れとなりますが、瑠子は高校に入る前に組織で保護されるので、そこで再開します。
ちなみにですが、瑠子が進学するK女学園にはモデルがあり、実はボクもびっくりしたんですが、そのモデル校がネットミームになってることが判明しました。グーグルストリートビューのカメラに向かって変なカッコで映る女子生徒3人の画像知ってますか? あの生徒たちの学校がK女のモデルです。
今回もクッチャルコ面白すぎました( ;∀;)このシリーズで小説出してほしいくらいです、、!!!
kanaさんの作品が一番大好きでいつも楽しく読ませてもらってます!!これからもお体に気を付けながら最高の作品を作り続けてください( ゚Д゚)