トイレとロープが消え、今度はその背後に何かがうっすら見えて来た。
それは黒いような、紫色のような、とにかく暗い色の作りで、だんだんと姿を見せたその姿は、複雑な歯車やベルトがせわしなく動く、時計仕掛けの鉄塔の様なものだった。
その中を子供の霊が運ばれていく。
上まで行くと、まるで見えない糸で吊られた操り人形のように、時計仕掛けの装置に良いようにもてあそばれていた。そして機械の準備が整うと、子供の霊はまたスルスルと地上まで降ろされ始めた。
トイレと首吊りのロープが再び現れる。
地上に降りた子供の霊は再びトイレの上にあがり始め、首を吊ろうとしている。
先ほどと同じ光景がまた繰り返されようとしていた。
いや、違う。子供の霊は見えない糸によってあやつられ、首吊りを強要されているのだ。
「わかった!!」朽屋が叫んだ。
「首吊りのロープを切るんじゃなくて、あの操り人形のような見えない糸を切らなくちゃいけないんだ!!」朽屋が考えを述べると、忍足も同調した。
「そうか、じゃあ朽屋さんが霊力を込めたハサミであの糸を切る、そして子供の霊が自由になったら僕が浄霊して彼を天国に送る。その作戦でどう?」
「それで行こう!! 先生!!私を抱っこして!!」
「へっ?」一瞬戸惑う廣神
「糸まで背が届かないから抱っこして!!」
「あ、ハイ、わかりました!」
大きなハサミを手にして霊力を込める朽屋、彼女を抱きかかえて走る廣神、印を切って浄霊の準備に入る忍足。そしてそれをぼうっと見ているおっさん。
事態が一気に動き始める。
廣神に高く掲げられた朽屋のハサミが何本も絡まる糸を切っていく。
最後の一本が切れた瞬間、忍足の手の平から放たれた暖かい光が子供の霊を包む。
「やったか?」廣神が二人に聞く。
「・・・ゴメンナサイ・・・ゴメンナサイ・・・ゴメンナサイ・・・ゴメンナサイ・・・」
光の中で気が付いた子供の霊が繰り返し謝っていた。
「ごめんなさいなんて、もうイイのよ! 謝んないで!! いい? あなたはこれから幸せな道を行くのよ!! 迷わないでね!!」朽屋が涙をぬぐいながら子供の霊を諭す。
「もう時間だ 朽屋さん!」忍足がそう言うと、子供の霊はあたたかな光の粒子へと変わり、天に登って行った。
「・・・アリガトウ・・・アリガトウ・・・アリガ・・・」
光の粒子が昇っていくのを、へたり込んで見送る朽屋。
しばし、安寧の時が流れる。
「これで、あの子は救われたのか・・・?」廣神がポツリと言う。
その時・・・『ポーン』という音が鳴り響き、時計仕掛けの鉄塔の上にあった扉が開いた。
「なに?」朽屋たち一行はその開いた扉を見た。
そこから、なんと2体の悪魔が現れた。






















kanaです。
自分で書いてて一番楽しい、朽屋瑠子シリーズです。
今回は小学校編ということで、ロリっ子朽屋の活躍にご期待ください。
尚、今回のお話は、以前こちらに投稿させていただいた「理科室の人体模型 VS チーム悪ガキ」というお話と、「【short_10】用務員のおじさん」のお話の解決編となっています。
あと、わかる人にはわかると思うんですが、ラストの戦闘シーンは某ネットミームを参考にさせていただいてます。わかる人は吹き出しちゃうかも。
それでは、ちょっと長いですけど、お楽しみください。
kanaです。さっそくなのですが、一部修正を入れました。
というのも楔形のカッコで音や擬音を表現していた部分があったのですが、
奇々怪々さんではなぜかこの楔形カッコで囲った文字は表記されないという仕様になっており、
そこだけ文字が消えていました。
まだ見落としがあるかもしれません。もし、おかしな部分を発見した方はご報告よろしくお願いします。
一気に読んでしまいました、瑠子シリーズ大好き☆
最高〜でした♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪いつもですけどwニンニンも小学生からの知り合いだったんですね(伏線回収?)次作楽しみに待っております♪♪♪
kanaです。↑コメントありがとうございます。楽しんでいただいて何よりです。
ニンニンは瑠子の1学年上の先輩でした。ボクの中の設定上では、この後ニンニンは瑠子に「同じ中学に行こうよ」と誘うのですが、瑠子はもうK女中等部に行くことが決まっていたので、ここで一旦お別れとなりますが、瑠子は高校に入る前に組織で保護されるので、そこで再開します。
ちなみにですが、瑠子が進学するK女学園にはモデルがあり、実はボクもびっくりしたんですが、そのモデル校がネットミームになってることが判明しました。グーグルストリートビューのカメラに向かって変なカッコで映る女子生徒3人の画像知ってますか? あの生徒たちの学校がK女のモデルです。
今回もクッチャルコ面白すぎました( ;∀;)このシリーズで小説出してほしいくらいです、、!!!
kanaさんの作品が一番大好きでいつも楽しく読ませてもらってます!!これからもお体に気を付けながら最高の作品を作り続けてください( ゚Д゚)