ここからは、聞いた話。
というのも、俺を含めた4人のうち、3人がここから記憶が飛んじゃってるんだよね。意識を保っていた1人…こいつを仮に齋藤としよう。齋藤から、この後の出来事を後日聞いたんだ。
まず、全員でハアハア言いながら地べたに座って、そこから俺ら3人は一言もしゃべらなかったらしい。だんだん呼吸も落ち着いてきて、「どうする?」なんて聞いたそうだが誰も反応せず。
齋藤はびびらせようとしてるんだなと思ったが、3人とも全員真顔でふざけてるような様子もなく、何を見ているわけでもなくただ茫然と座り込んでいたと。
ほどなくして、俺ら3人は急に立ち上がり、ゲートの方へと歩いていった。齋藤は何度も必死に呼び止めたが呼びかけに応じることはなかった。
…ゲートの大きい穴は消えていた。
自転車には乗らず、俺ら3人は坂道を下り、ただ坂道を下った。異様な雰囲気に齋藤は泣きながら叫んだ。止まれ、行くな、返事しろ、…無理に体を押さえつけようとしても、俺たちはその静止を振り切って歩いた。
向かった先は、ふもとの大きなダム湖、”化女沼”だった。
俺たちは齋藤の声が届くことなく、何のためらいもなく化女沼に入っていき、首まで浸かるほどの深さまで入水してた。
「なにやってんだお前らぁ!!!」
ダム湖の警備員のようなおっさんが大声で叫んだ。
俺ら3人は、齋藤と警備員2人に無理くり陸にあげられ、途端に意識を失った。そこから高熱で2日間ほど寝込むことになった。
これがその日起きた話。
しばらく忘れて生きてきたけど、仕事で近くを通って思い出したもんだから、気になっていろいろ調べてみたんだよ。
面白かったのが、化女沼の、逸話。
その昔、照夜姫っていう綺麗な女性がいて、その女性は毎日沼のほとりに来ては沼を眺めて過ごしてた。あんまり美しいもんだから、姫が近づくと水面にたくさんの蛇が集まってきたらしい。
ある日、これまた美しい旅の美男が姫のもとを訪れた。
二人はすぐに結ばれたが、男は旅の途中だからとすぐに去ってしまった。
男との別れを悲しむ姫だが、体調の異変に気付く。なんと妊娠しており、男との子供を産んだのだ。
しかし生まれたのは赤子ではなく、白蛇だったのだ。白蛇は沼の底へと去ってしまった。姫は後を追うように、愛用の機織り機とともに沼へ身を投げたのである。
以来沼では、毎年7月7日に機織りの音が聞こえるようになったという。
…正直どっかの観光地や由緒ある沼や池なんかでよくありそうな伝説だ。
で、ふと思ったんだけど、あの日のメンバー、齋藤以外の3人、干支が蛇年なんだよね。それに7月頭だったのを覚えてる。
度胸試しはいいけど、その地の「曰く」は把握しておいたほうがいいなって思った話でした。























久しぶりの投稿!
面白かったです(⌒▽⌒)
うあーーーー。俺の地元だわーーーーー!
・・・って、いやいやいや!
なーにしてんの!なーに入ってんのお!?
あすこガチ危険だから入っちゃ・・・
俺が高校の頃さ、ふざけて2人がはいったんだよ。
そしたら・・・行方不明になって数週間後に化女沼から白骨・・・見つかってさ
先生にどうしたんですかって聞いたら険しい顔で「ちょっとなあ・・・、近藤(俺)はまあ、、、うん、、、つまりその通りだよ」って。その後もう1人も一週間休んでた。
あのまま警備員さんに発見されなかったら>”<