正気の証明

いくらなんでも異常すぎる

俺はおふくろを探した
さすがにこの異常を知らないなんてことはないはずだ

おふくろはベランダで洗濯物を干していた

「なあ！　俺の部屋だけど、いつあんな悪趣味なのものに変えた・・んだ・・・

目の前の光景に俺の思考が停止する

「何？　なんか用？」
怪訝な顔を見せるおふくろ

いつもと変わらない様子だ
変わっているのは服装だった

おふくろは赤い模様の服を着ていた
俺の部屋を侵食している模様だ

「い・・・いや、何でもない」

おふくろに聞けば、この模様が何なのかわかるだろう
しかし、聴くことはできなかった

聴けば何か恐ろしいことがある気がしてならなかった

俺はすぐに自分の部屋に戻った

いったい何が起こっているんだ

俺は自分の身体が震えているのを感じた

実家で何か起こっている

何かヤバいことが
この赤い模様は何なんだ？

おふくろがいつの間にか変な新興宗教にでもはまっているのだろうか
この赤い模様はその宗教のシンボルとか

いや、しかし、ネットでいくら調べてもこの模様に関する情報はなかった

限られたコミュニティの中でしか生きていないはずのおふくろにまで広まっているのだとしたら、何らかの情報がネット上にあってしかるべきだ

というか、新興宗教にはまってしまったのなら、息子である俺にも布教してくるはずだ
だが、おふくろはあの模様に関して話してはこない

どういうことなんだ
とにかくこのままでは気持ちが悪い