正気の証明

どうにか原因を突き止めなくては

俺はそれから少ししてから、出かけてくるとわざとらしく声に出して玄関ドアを開けて、外には出ず音を出さないように部屋に戻り、部屋の押し入れの中に忍び込んだ

これでおふくろは俺が出かけたと思い込んだはずだ
これで様子を見よう

俺は息を殺して何か起こるのを待つ

10分、20分、30分

ガチャ！

いきなり俺の部屋のドアが開き、おふくろが入ってきた

あまりにいきなりだったので思わず声を上げそうになった

おふくろは何か持っている

カーテンのようだ

そのカーテンは赤い模様が描かれていた

「・・・！！」

くそ
やっぱりおふくろなのか

まあ、覚悟はしていた

親父が死んでこの家にいるのはおふくろしかいない

普通に考えれば犯人はおふくろ以外には考えられなかった

しかし、こうやって現場を見てしまうとやはりショックだ

なんでこんなことを・・

おふくろは黙々と今あるカーテンを赤い模様のカーテンに取り換えている

なんでこんなことしているんだ

やはり変な新興宗教でもはまっているのか

そんなことを考えていると

「・・・」

何か聞こえてきた
どうやらおふくろが何か言っているようだ

小さい声で何か言っている

なんだ？
何を言っているんだ