何よりもとてつもない違和感を感じたのは、健太の表情だった。
ニコニコしている。あっくんと同じ顔で。
性格までも変わっていた。
あいつはいつも絵に書いたような悪い顔をして、傍若無人に振る舞い、慎二と航希以外には距離を置かれているようなやつだった。
それが今はあのニコニコとした顔でクラスメイトと楽しそうに会話をしている。誰も不思議に思っていない。
まるで元からそういった人物であったかのように。
俺も委員長も他の2人も健太に話しかける勇気はなかった。
ふと俺は気づいた。
「あっくんは…?」
ホームルームも始まるというのにあっくんが来ていなかった。
教室のドアが開き、先生が入ってきた。
「えー、皆さんアツヤくんのことですが、家の都合で引越しをすることになったそうです。」
その言葉に俺は驚くと共に安堵した。
健太ももちろんだがこれから先、あっくんと普通に接することができない気がしていたから。
それ以来、俺は寺社仏閣の類のところに行くことが怖くなった。
建物の中からあの異様に長い腕が伸びてきそうな気がするから。
そして俺と委員長が同じく思っていたことがある。
あのとき以来、変わってしまった健太。
あっくんと同じ貼り付けたような笑顔。
「もしかして、あっくんは…」
健太は今もニコニコしている。
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もしかして健太に中にあっくんがいるんじゃ
リアルで怖いって
もしかして健太の中にあっくんがいるってこと、、?
いいですねぇやっぱこういう系の怖い話好きです。
スカッとする系かと思いきや
フリーナ