昔のVHSって、なんか不気味なんだよな。
ばあちゃん家に置いてあった、俺らの幼い頃を録画したビデオとか。
画質は粗く、音もこもってて、右下に表示される日付が妙に無機質で、怖く感じる。
その感覚が確信に変わったのは、数年前のある出来事がきっかけだった。
俺らの地元には、昔から噂になってる廃墟がある。
元は新興宗教の施設で、教祖が焼身自殺したとか、信者が集団自決したとか、いろんな噂が飛び交ってる。
田舎の高校生が考えることなんてだいたい同じだ。
俺とAは、夜にこっそり忍び込んで肝試しすることにした。
中は予想以上に荒れてた。
窓も机もめちゃくちゃで、壁には「夜露死苦」やら「◯◯参上」やらの落書き。
礼拝室っぽい場所には、宗教じみたマークや経典みたいなのが散らばってて、妙な雰囲気にテンションが上がった。
「そろそろ帰るかー」って言ったとき、奥の棚に目が止まった。
近づくと、その裏にひっそりと扉があったんだ。
棚は空っぽで、簡単にどかせた。
扉は他の部屋と違って古びた木製で、重たそうに見えたが、手をかけるとギィ…と音を立てて開いた。
中は暗く、長いあいだ開けられていなかったのか、カビ臭くて鼻がつんとした。
部屋の中央には古びた椅子とテーブル、そしてその上にテレビとビデオデッキが置かれていた。
もちろん電気は通ってない。スイッチをカチカチ押してみたけど反応はなし。
何もない部屋かと思いきや、Aが「おい」と俺を呼んだ。
ビデオデッキにテープが入ってたのだ。
暗くて見えにくかったが、挿入口に貼られたラベルに「たからもの」と書かれていた。
…全然“宝物”っぽくはないけど、こんな廃墟で見つけたテープ、そりゃ気になる。
デッキごとテレビから引っこ抜いて、そのまま持ち帰った。
…やめときゃよかったんだけどな。
家に帰って、すぐに自室でテレビとデッキを接続してみた。
古いやつだったから再生できないかと思ったが、驚くことに――映った。
最初に映ったのは、小学校低学年くらいの女の子だった。
右下には、ぼやけた白い文字で「1992/06/14」と日付が表示されている。























宗教に騙されて、不幸になった信者唸ってたのかな?
両親が信者で、娘が違うから助けを求めてたのか?
こっわ…だけどたからもの2の内容もちょっと気になる…