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ヒトコワ

鬼笑いの語り部さんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

目
短編 2025/02/28 18:44 626view

ある夜、霧が立ち込める渋谷の街を歩いていた。時計の針は深夜2時を指しており、辺りは静まり返っている。ふと、建物の隙間から鋭い視線を感じた。

その視線に気づいた時、全身に冷たい震えが走る。立ち止まり、後ろを振り向くと、そこには何も見えない。しかし、確かに誰かが自分を見ているという感覚は消えない。

再び歩き出そうとしたその瞬間、建物の影から一対の目が現れた。その目は闇の中で赤く光り、不気味な輝きを放っている。驚きと恐怖で足がすくみ、動けなくなる。

目は徐々に近づいてくる。心臓の鼓動が早まり、恐怖が膨らんでいく。突然、目の持ち主が姿を現した。それは人間とは思えないほど異様な存在だった。長い黒髪に覆われた顔、鋭い牙を持つ口、そして何よりもその恐ろしい赤い目が印象的だった。

恐怖に包まれたまま、その存在と目が合った瞬間、頭の中に直接声が響いた。「逃げられない…」

その言葉に背筋が凍りつき、足が自然と後退する。しかし、足はもう動かない。目の持ち主がさらに近づいてきたその瞬間、周りの景色がゆっくりと歪み始める。次第に意識が遠のき、視界が暗くなっていく。

最後に見たのは、その赤い目の輝きだった。その後、彼の姿は渋谷の街から消え、二度と見つかることはなかった。彼の存在を示す唯一の証拠は、空中に漂う不気味な赤い目の残像だけだった。

そして、その夜以来、渋谷の街では深夜に霧が立ち込める度に、一対の赤い目が現れるという噂が広がった。その目を見た者は二度と戻ってこないという。

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コメント(2)
  • こういった類の「都市伝説」の妙な所って「それを体験した者自身はもうこの世に居ないから直接語ることはまず不可能」なはずなのに、なぜかしっかり伝承されてる( ゚□゚) たいてい目撃者も居ないしちゃんと立証出来る物すら無い( ゚□゚) 霊媒師か誰かを通して語ったのか?(-ω- ?)

    2025/02/28/20:59
  • ↑それな

    2025/04/11/13:11

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