最近、部屋に大きな姿見を置いた。中古品だけど、フレームの装飾が美しくて一目惚れした。ちょっと古びた感じが、アンティーク好きの私にはたまらなかった。
最初は何の問題もなかった。だけど、ある夜、違和感に気づいた。
寝る前に鏡の前を通ったとき、鏡の中の「私」が一瞬、微妙に遅れた気がした。まるで、私の動きを真似しているような…。
「気のせいだよね」
自分に言い聞かせた。でも、それから毎晩、何かがおかしかった。例えば、私が振り向くより先に鏡の中の「私」が動いたり、私が目をこすっているとき、鏡の中の「私」はじっとこちらを見つめていたり…。
ある晩、とうとう決定的な瞬間が訪れた。
夜中、ふと目が覚めた。喉が渇いて水を飲もうと立ち上がると、鏡の中の「私」がまだ寝ていた。
心臓が凍りついた。
鏡の中の「私」はゆっくりと目を開け、笑った。
「やっと、気づいた?」
次の瞬間、私は鏡の中に引きずり込まれた。
気づけば、私は鏡の向こう側にいた。外の「私」は、私の姿をした「何か」になっていた。
それは、私の部屋を見渡し、微笑んだ。
「やっと、外に出られる」
私は鏡の中で叫んだ。でも、声は届かない。
鏡の外の「私」は、私の携帯を手に取り、友達にメッセージを送った。まるで何事もなかったかのように。
私は気づいてしまった。
この鏡、ずっと誰かを待っていたんだ。
代わりに入る人を。
……次は、あなたの番かもしれない。

























何で気付くまで悠長に待ってたの?さっさと入れ替われば良かったのに
鏡から出てきた何かは左右反転してるはず
鳥肌たちました。
怖いなんてもんじゃない。