「いや、あの時シャチが咥えてきてくれなかったら、もう少しで海の藻屑ですよ!」
「そんなヤバかったの? も~、シャチにもみなさんにも感謝感謝や」
「まぁ、無事に、後遺症もなく回復されてよかったですが・・・」
「あっ、そうだ・・・スティングレイさんには2回もナイフ貸してもらって、本当に助かりました。ナイフお返しします」そう言って朽屋は戦闘で使ったナイフを返した。
「えっ・・・これって・・・」スティングレイは驚きの表情でナイフを見る。
チタン製で真っ黒だったあのナイフが、波打つかのように蛇行し、何かよくわからない虹色のように変色していた。
「これは、魔物を切ったナイフなので、魔除けとして特殊なエンチャントが付与されました。きっとこれからの人生の中で、スティングレイさんを守ってくれますよ」
「・・・あ、ありがとうございます(汗)・・・ところでチーフ・クチヤ。先ほどから私の事を階級ではなくさん付けで呼ばれておりますが・・・」
「あぁ、ワタシ、作戦終了したんで、もう最専任上等兵曹じゃなくて、ただの一般人に戻りましたんで、軍人じゃないんで・・・ホントにお世話になりましたスティングレイさん」
朽屋はスティングレイに握手を求めた。彼も右手を出した。
「・・・キスもしてくれたしね」と朽屋。
「人工呼吸です」と反論するスティングレイ。
「したよね?」
「人工・・・・・・じゃあもう一回してみますか」
「・・・・・・し、します・・・(///▽///)」
このあと、ミゲル・キースは台風被害のあったフィリピンのスービック湾まで一旦南下し、
その後、沖縄、佐世保と入り、最終的に横浜のドックを目指した。
朽屋はその間療養しながら軍への報告書と大学への論文を執筆していた。
・・・・・・
2024年11月12日、横浜港にあるM重工業横浜製作所本牧工場にミゲル・キースは入港した。ここでマンタレイの修理も行われる見込みだ。
そして接岸したミゲル・キースから、一人の女性がタラップを降りてくる。
朽屋 瑠子だ。1年1か月ぶりの帰還である。
「お~~~い朽屋~こっちだ~」軽自動車をバックに叫ぶ男がいた。
「あっ、デスク!」彼が月刊モーの編集長、ヴィンセント三上だ。
「迎えに来てやったぞ」
「ありがとうございます」
「やっと帰ってきたか」
「ハイ~。久しぶりの陸(おか)の上なんで、まだ波にゆられてる感じがします~」
「ははは、まぁ乗れ。中華街で飯でも食って帰ろうや」






















kanaです。久しぶりの「朽屋瑠子」シリーズです。
このシリーズはあちこちにいろんなオマージュやらなんやら、過去作でも詳しく説明してないけど
知ってる人なら「あぁ、あれか?」と思うようなネタを散りばめていますので
そんなところもお楽しみください。
ちなみに、毎回出て来て朽屋に「ユー、〇〇へ、トベ!!」とだけ言って去っていく米兵のセリフは
「王立宇宙軍-オネアミス-の翼」で主人公のシロツグに対して「あ~~、なんて・・・そうだ、飛べ!!」とイキナリ突拍子もないことを言ってくる将軍をオマージュしています。
是非とも、ムー本誌に書いて送って欲しい!
大昔、漫画を書いてムーに送ってた人が、本誌に取り上げられたこともあるし、ルコも取り上げて貰って欲しい!
読み物として毎回楽しく拝見してます
朽屋さん、やってますねぇコレは。
待ってました!
クッチャルコさん首を長くして待ってました〜wこれからもどんどんお願いします♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪僕の中では今1番の最高の小説です!!
↑うれしいコメントの数々ありがとうございます。
自分で書いてて一番楽しい、それが朽屋瑠子シリーズw
怪談としてはどーよ、って話もありそうですが、今回は都市伝説ですから!!!
話によってジャンルも買えてます。
それにしてもですよ、1月19日に書いたコメントが公開されたのが1月28日って、
運営様、もう少しなんとかなりませんかね?
この前このシリーズ一気読みしましたけどめちゃくちゃ面白かったです!!
これからも期待してます(^ ^)
kanaです。↑コメントありがとうございます。一気読みしていただいて最高にうれしいです。
楽しんでいただいてよかったです。
これは公式に作品化していくべきレベルだと思う。
小説出てます?