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呪い・祟り

ねこじろうさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

ポラロイドの呪縛
長編 2025/01/01 09:12 2,210view

3枚目も4枚目もそれ以外も全て同じ角度から撮られているが、3枚目から4枚目、4枚目から5枚目と、母親は少しずつ痩せ細りどす黒くなっていくようだった。

写真は変わり行く様を撮影した記録のようにも見える。

そして最後の1枚になるとその姿はすっかり変わり果てて髪は抜け、顔はミイラのようになってしまっていた。

俺は足元に写真と紙を落とし玄関ドアを開き、渡り廊下に出る。

そして正面奥の方の暗がりに視線をやった。

そしてはっと息を飲む。

人が立っていた。

ロイドくんだろうか?

目を凝らしてみる。

白いランニングシャツに黒の半ズボン姿で小柄な体躯。

どこか悲しげな顔をしているようにも見える。

ただ以前と比べるとかなり痩せていて、首や手足は棒のようだ。

恐る恐る歩み寄っていくと、やがてその姿は幻のようにスーッと暗闇に吸い込まれてしまった。

俺は引かれるようにふらふら歩き進み、とうとうロイドくんの家の玄関ドア前まで来てしまう。

呼び出しボタンの上には「浅川」という表札。

そして恐る恐るドアノブを握り力を込めると、あっさり回転した。

それから隙間から声を掛けてみる。

あのお、すみません浅川さん、いますかあ?

何度か声を掛けてみたが、何の返事もなかった。

思い切って玄関内に踏み込む。

正面に伸びる廊下は暗く、しんと静まりかえっていた。

浅川さーん、いますかあ?

やはり返事はない。

いけないこととは思ったが「すみません、お邪魔しますよ」と靴を脱ぎ、廊下に上がった。

そして突き当たりまで歩くと居間のドアを開いてみる。

カーテンは全て閉じられていて暗く、室内はどんより静まりかえっていた。

入口脇にある電気のスイッチを押す。

一気に部屋の全貌が明らかになる。

室内はあまりきれいではなかった。

6/10
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