トン、、、トン、、
金属の玄関ドアを叩く音がする。
目が覚まされた俺は思わず枕元の携帯に目をやった。
深夜2時5分。
隣で寝ている母は熟睡しており、全く起きる気配はない。
こんな時間に誰だろう?
母を起こそうと思ったが毎日の仕事で疲れもたまっているだろうと止めた。
するとまた
トン、、、トン、、
俺は意を決して起き上がると、襖をそっと開けてから廊下に出ると真っ直ぐ玄関へと歩き電気をつける。
そしてドアに向かい、恐る恐る声をかけてみる。
どちら様ですか?
しばらく待つが返事はない。
それでドアスコープを覗いてみた。
だが視界に入るのは、
薄暗い渡り廊下と塀だけ。
首を傾げながら振り返り、また和室の間に戻ろうとした時だ。
ゴトン
何かが落下した音がした。
どうやら玄関ドア下の郵便受けみたいだ。
俺はそっと近付くと、郵便受けのフタを開いて中を覗く。
そこには輪ゴムでまとめられた写真が数十枚あった。
手を伸ばしそれを手元に持ってくると輪ゴムを外し、一枚一枚見てみた。
一枚めは路地で驚き振り返る俺の立ち姿。
昨晩塾の帰りに背後から撮られたものだろうか?
そして二枚目からは、、、どこだろうか?
薄暗い畳の間?
壁際に敷かれた布団に年老いた女性が仰向けに横たわっている姿を横側から撮った写真のようだ。
よく見るとそれはロイドくんの母親だ。
ただその横顔は青白く生気を失っている。
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