ここは、2階だ。
その窓に写ってない下半身は今どうなっているんだ。
母さんは夜勤に出かけてしまった。
この家には俺1人。
俺は慌てて自分の部屋へ飛び込んだ。
電気をつけてカーテンを締め毛布にくるまった。
俺が何をしたって言うんだ。
電子時計をもう一度見る、まだ起きてから10分くらいしか経ってない。
どうする、ここから母さんの職場まで逃げるか?母さんは家の近くの病院で看護師として勤務している。
その気になればなんとかなるかもしれない。
いや、無理だ。
ひとりで家の外に出たらあいつに出くわす気がする。
ただただ1人でこうして毛布の中で震えるくらいしか俺に出来る事は無さそうだ。
そうしてどれほど経っただろうか。
相変わらず毛布に包まれていると下からチャイムが鳴った。
こんな夜中に?
間違いなく客人では無さそうだ。
しかし、もしかしたら母さんかもしれないという淡い期待も抱いている。
母さんはたまに職場で忘れ物をすると平気でこうやって夜中にチャイムで俺を起こして玄関まで持ってこさせたりするからだ。
俺は毛布を羽織ったままゆっくりと階段を降りた。
電気をつける。
もう一度チャイムが鳴らされる。
俺は震えた声で「はい」と返した。
「あー、私だけどさ…ちょっとリビングにナースポーチ忘れたから取ってきて?」
ドアの向こうからは母さんの声が聞こえる。
あー、良かった。
ふわっと安堵が心を包む。
急いでドアの鍵を開けようとする。
























えっ、最後びっくりした
「床に落ちた何か」てなんだったの?