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都市伝説

溜塵穢さんによる都市伝説にまつわる怖い話の投稿です

SDGsについて
短編 2026/02/03 01:02 32view

ある女性から聞いた話。

詳細は伏せるが、彼女はいわゆる新興国の出身である。この国の経済は、先進国をはじめとする外国からの融資と、一次産業で成り立っている。女性が出国前に携わっていたのも農業に近いモノだった。

その仕事は『何らかの液体を生成すること』だったという。原料は日本から輸入していたそうだ。木の板を砕いて専用の液体に数日漬け込み、それをさらに蒸留してひたすら瓶詰めしていくらしい。瓶には、楕円型のコインを持った、白い猫のような生き物のイラストが描かれたラベルが貼ってあるとか。ちなみに、この仕事はかなりの高収入。

女性は母国を訪れていた日本人男性と出会い、その人との結婚を機に日本へ移り住んだ。夫となった彼は、よく観光がてらにあちこち連れて行ってくれる。

今年の初詣もふたりで行ってきた。
そこで、女性は見覚えのあるものを発見した。
「あれはね、招き猫っていうんだ。『運』を手招きして呼んでくれるんだよ」

夫が教えてくれた。

招き猫…母国で液体を詰めていた瓶に描かれていたのは、アレか。ついでに、神社の奥に木の札のようなものがたくさん吊ってあるが、あちらも見覚えあるような。
「あっちは絵馬っていうの。願い事を書いて神様にお願いするんだ」
絵馬…近くに寄って見てみる。

あぁ、そっくりだ。表に獣の絵、裏に日本語のメッセージ。きっと液体の原料だ。日本では、絵馬を吊ったあとどうするのだろうか?
「え?んーっと…たぶん『お焚き上げ』されるんじゃないかな。お祈りしながら焼いて、煙にして神様の所まで持っていく、て感じかな。なんかロマンチックだよね」

私が母国で扱っていたのが絵馬なんだとしたら、何かとても神聖なミッションを担っていたのかもしれないですね。素敵です。女性はそう語る。

……このエピソードは別の情報も加味すると印象ががらりと変わる。

昨今、国際経済専門家の間で話題になっている危険ドラッグがある。俗称は『SDGs』。隠語としても使い易いのでタチが悪い。

我々は元売人だと名乗る人物から、SDGsの情報を少しだけ入手することに成功した。流通を取り仕切っているのは、実体はないが凄まじく羽振りがいい組織。SDGsは、安価かつ短期間で作れてしまい莫大な利益を獲得できるようで、東南アジアやアフリカ系など新興国のウラの収入源とも噂されている。

SDGsの人気は、服用すると非常に強い多幸感を得られる点にある。経験者曰く『いい夢ばかり見せてくれる感じ』らしい…なお俗称は『Sweet Dreams,Guys』の略でないかと言われている。直訳すると『お前らいい夢見ろよ』といったところか。
余談だが、自称元売人はこんな言葉を残している。

「他人の不幸は蜜の味って言うだろ?他人の夢とか希望はそれよりもっと旨いんだ」

この情報には不確定な要素が多く、信憑性のほどは定かでない。とはいえ、危険ドラッグは法の抜け穴を通るため、様々な物質を添加し主成分をぼかすような例もある。絵馬もあるいは…いや、事実無根であることを強く願うばかりである。

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