「花音、蝶子はめちゃくちゃな人だったけど、一度はオレの奥さんだった。彼女に振り回されず、夫としてもっと立派な態度をとれたら、こうはならなかったと思う。死んで何年もオレを待っていて、彼女なりにオレを愛しているんだよ。だからオレが連れて行かれても、死んだと思わず、蝶子の側に行っただけだと思って欲しい」
パパの覚悟に私は涙が出た
暫くすると、テレビ画面にノイズが走った
ガタガタガタ……テレビ自体も震動する
画面のノイズがグアーングアーンと大きく揺れて、中から女性が飛び出して来た
「蝶子!」
パパが叫んだ
その女性は、極めて整った顔をしていたが、雰囲気はまるで般若のようだった
異様なオーラを放っている
長い黒髪を振りみだし、高級そうな服や靴を身に纏い、人形そっくりの赤ん坊を抱いていた
『ホギャーホギャー』
赤ん坊はずっと泣いている
そしてフラッと空中を漂い、
『良彦〜今度こそ約束を守ってもらう〜私と来るのだ〜』
と言ってパパの手を掴んだ
あまりのことに全員、固まった
私は、
(待って!お願い!パパを助けて)
と叫ぼうとした
だがそれより早く、
「待って!頼む!連れて行かないでくれ!」
悲痛な叫びを発したのはパパだった
あれ?
「蝶子、頼む、死にたくないんだ」
パパ、さっきまでと言ってることが……
蝶子さんは、
『ダメだ〜お前の最後の子供も20才になった〜だから連れて行く〜約束は守れ〜』
と言い、パパを引っ張った
ハッとした私は、
「行かないで」
と言いながら、パパの体を蝶子さんとは反対側へ引っ張る
パパは、私が味方についたことで余裕が出たのか、
「蝶子、オレは間違えた。この子はまだ18だった」
と嘘をついた

























因果応報だな
蝶子に同情するよ
しかしまあ、ここまで女の人を次々誑かせるんだから、イケメンなんでしょうね…クズ男ですけど
ドラマで観てみたいです! 世にも奇妙な物語みたいに
思い付くセンスすごいですね!!
ゾクッとしました!
花音さんまさかの裏切り!