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心霊

太山みせるさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

事故物件の日記帳
長編 2024/05/03 10:24 15,645view
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芹澤舞(せりざわまい)の祖父は、たくさんの不動産を持っている

その中の一つに、昭和時代に建てられた古いアパートがある
それは築60年を越えるもので、今でも格安で人に貸している
103号室以外は……

※※※

大学生の舞は、怖い話が大好きだ
同じような趣味を持つ同級生5人と、オカルトサークルを立ち上げた

活動内容は各自が怖い話を調べて、酒を飲みながら発表をする、それだけだ
心霊スポットに行くのは、幽霊よりもそういう所を好むヤンキーを怖がった、男性陣の反対で無しになった

だが舞は思った

(一度くらい、幽霊が出る所に行って、身も凍る体験をしてみたい!)

とはいえサークルメンバーの男子は心霊スポットはNGだし、他にオカルト好きな男友達はいないし、女子だけで行く勇気もない

(そうだ!事故物件の室内なら、関係ない人は入って来れない!)
舞は、祖父に聞いてみた
「お爺ちゃんが持っている建物に、事故物件はある?」
「あるよ」
「!!幽霊が見たいの、探検させてくれる?」
すると、あっさりOKだった

※※※

舞は早速、オカサーの仲間に伝えた

「鍵も借りてきたよ!その事故物件はアパートの一室でね、昔に殺人事件があったんだって。幽霊が出るようになってからは塞いじゃって、たまに昼間にメンテナンスが入るだけらしいの。夜、今も幽霊が出るのか見て欲しいって、逆に頼まれたよ」

わっ!!と、サークルメンバーは狂喜した

※※※

「6人集まったな」
リーダーの千野(ちの)が点呼をとった

5月の土曜の夜、オカサーの6人はワクワクしていた
メンバーは男が千野、武智(たけち)、月田の3名で、女が舞と寺内、戸川の3名だ
カメラが趣味の月田が、自慢の高性能ビデオカメラを持ってきてくれた

そのアパートは祖父の家の近所で、東京の下町にあった
1階建ての古いアパートで、5部屋あるうちの真ん中の103号室が例の事故物件だ
それ以外は住人がいるから静かにね、という舞に従い、全員黙ってついて行った

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コメント(2)
  • 怪談を読んで久し振りに涙が出ました。子どもたちのほうが、ずっと魂レベルが高かったのですね。

    2024/05/17/13:47
  • ええ子達や🤭

    2024/08/15/07:53

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