事故物件の日記帳
投稿者:太山みせる (35)
芹澤舞(せりざわまい)の祖父は、たくさんの不動産を持っている
その中の一つに、昭和時代に建てられた古いアパートがある
それは築60年を越えるもので、今でも格安で人に貸している
103号室以外は……
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大学生の舞は、怖い話が大好きだ
同じような趣味を持つ同級生5人と、オカルトサークルを立ち上げた
活動内容は各自が怖い話を調べて、酒を飲みながら発表をする、それだけだ
心霊スポットに行くのは、幽霊よりもそういう所を好むヤンキーを怖がった、男性陣の反対で無しになった
だが舞は思った
(一度くらい、幽霊が出る所に行って、身も凍る体験をしてみたい!)
とはいえサークルメンバーの男子は心霊スポットはNGだし、他にオカルト好きな男友達はいないし、女子だけで行く勇気もない
(そうだ!事故物件の室内なら、関係ない人は入って来れない!)
舞は、祖父に聞いてみた
「お爺ちゃんが持っている建物に、事故物件はある?」
「あるよ」
「!!幽霊が見たいの、探検させてくれる?」
すると、あっさりOKだった
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舞は早速、オカサーの仲間に伝えた
「鍵も借りてきたよ!その事故物件はアパートの一室でね、昔に殺人事件があったんだって。幽霊が出るようになってからは塞いじゃって、たまに昼間にメンテナンスが入るだけらしいの。夜、今も幽霊が出るのか見て欲しいって、逆に頼まれたよ」
わっ!!と、サークルメンバーは狂喜した
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「6人集まったな」
リーダーの千野(ちの)が点呼をとった
5月の土曜の夜、オカサーの6人はワクワクしていた
メンバーは男が千野、武智(たけち)、月田の3名で、女が舞と寺内、戸川の3名だ
カメラが趣味の月田が、自慢の高性能ビデオカメラを持ってきてくれた
※
そのアパートは祖父の家の近所で、東京の下町にあった
1階建ての古いアパートで、5部屋あるうちの真ん中の103号室が例の事故物件だ
それ以外は住人がいるから静かにね、という舞に従い、全員黙ってついて行った
怪談を読んで久し振りに涙が出ました。子どもたちのほうが、ずっと魂レベルが高かったのですね。
ええ子達や🤭
母親の身勝手さにムカつくこれは愛情じゃなく執着。せっかく優しくしてくれたのにどこまでセリザワさんに迷惑かけ倒すねん!と、残念ながら舞さんのように優しい気持ちにはなれんかった。