俺は足早にお手洗いに入った
なんだ
やっぱり気のせいなんじゃないか
俺は一気に馬鹿馬鹿しくなった
俺とそっくりな人間なんていやしないのだ
いたのは俺と後ろ姿似た同じ趣向の男が近くにいたというだけのことだ
この前の本はかなりの人気の本だ
かぶることもあるだろう
顔を見ておいて店員が間違えたのはちょっと気になるが、まあ、店員は毎日沢山のお客さんを相手にするんだ
俺の顔をあやふやに覚えていたのだろう
俺の今の服装だって日本人なら誰もが知る有名ファストファッションのお店のものだ
かぶることだって当然ある
このカフェだって日本中で展開している店でこのモーニングセットは
人気の商品だ
こういうことだってあるだろう
まったく、何を心配していたのやら
俺はトイレの外に出るとその男はいなくなっていた
まあ、もう別に関係ない
奴がいた席を通り過ぎると
「ご苦労様」
耳元で声がした
俺はびっくりして周りを見回したが、誰もいない
さっきの男の声のようだったが・・
いや、気のせいだろう
色んなことを考えすぎて頭が疲れてしまっているんだ
俺はそれからいつもの日常に戻った
これまで感じていた気持ち悪さから解放された気分だった
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誰だったのでしょう
面白かった。ハラハラした。
これは新しい趣向! 面白かったです
運よく美男美女に変われたら嬉しいなぁ