【short_86】家族ドライブ

クルマに乗って家族でドライブとしゃれこんだある日の事。

パパが運転。ワタシが助手席。一人娘のリカちゃんが後部座席という配置。
でも・・・我が家にはひとつ困った問題がありまして・・・。

「ねぇリカ、あんたまた何か見えてんでしょ!　も~~!!」

娘が後部座席で急に黙り込んで、青い顔をしています。
そう、娘には霊が見えるらしいのです。

「だって後ろの席、リカしかいないハズなのに、鏡に女の人が映ってるの!!」

もちろん私にも後部座席にはリカしか見えていません。
私はそーゆーのがまったくダメなビビリなので、リカの行動が怖くて怖くて仕方ありません。リカもそれを知っているので、見えててもだまっているのですが、それで青ざめてるんだからバレバレで、結局最後は親子でキャーキャーワーワー騒いでいます。

それを見てパパだけが笑顔で微笑んでいます。

「何がおかしいのよ!!このスットコドッコイ!!」

ワタシはパパにくってかかります。

・・・・・・

やがてクルマは目的地につきました。
〇〇霊園。・・・ワタシと娘のリカが眠るお墓のあるところです。
パパがお墓にお花を添えて、祈ります。

・・・ちょっとしんみり。
でもね、パパ。私たちのお墓の前で泣かないでください。そこに私たちはいないのです。

「またクルマに乗ってパパと一緒にお家に帰るんだもんね~! ねぇリカ!」
「うん!!」