古賀様と【忌蛇】
投稿者:ねこじろう (147)
長編
2024/03/10
12:21
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しばらくすると切断面からの血は止まり古賀様は蛇の胴体を足元に落とすと、妹の枕もとに正座し再び一心不乱に祈祷を始めました。
そして日が昇る頃に奇跡は起こります。
妹が突然むっくりとその半身を起こしたのです。
両親も私もそれはそれは喜びました。
ただ意識が戻ったのはよかったのですが、その日から妹の様子がおかしいのです。
まず顔は蒼白く表情がなくなりその目は兎のように充血し、言葉を発することがなくなりました。
しかも移動の時はお腹を床に付け、四肢で這いずるようにして進むのです。
そして外に出ることを極端にいやがるようになった後は、一日中古賀様の部屋に籠るようになりました。
両親や学校の先生も何度となく妹の説得を試みたようなのですが、無駄だったようです。
※※※※※※※※※※
その後地元の高校を卒業した私は、妹のことを心配しながらも学校の紹介で大阪にあるとある車両整備の会社に就職します。
実家とは初めの頃は連絡を取ったりしていたのですが、妹は相変わらずということでした。
でもそれからは仕事の多忙さもあって半年くらい連絡が出来ずにいました。
そして就職してからちょうど一年が経過したお盆休みの時のことです。
その年は亡くなったじいちゃんの七回忌ということもあって、私は帰省をしようと思いました。
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古賀さまこそが((( ;゚Д゚)))
普通の一家がカルト宗教に落ちていく話です
─ねこじろう
解説ありがとございます。カルト宗教がらみのヒトコワ話ですが、心霊的な要素も加味されていて、不気味な怖さにゾクゾクしました。グロテスクなだけではなく、妙にエロティックな雰囲気を醸し出しているところも、カルト宗教らしいですね。一家が崩壊していく様、絶望的なラストに思わず声を出してしまいました。
古賀様の存在が最後まであやふやで不気味な感じを持っていただけたら、作品の目論見としては成功としました。
─ねこじろう