まりあさま
投稿者:ねこじろう (147)
長編
2024/02/09
16:27
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誰もいるような感じはない。
先ほどと同じで、ただ時折木の擦れる音と鳥の鳴き声が聞こえるだけである。
時計を見ると午後5時を過ぎており、辺りは夕日で赤くなってきていた。
─そろそろ帰るか……
そう思った時だ。
どこからか人の呼び声のようなものが聞こえたような気がした。
耳を澄ましてみるが何も聞こえてこない。
空耳か?と思い再び帰ろうとしたら、
まりあさまあああ……
今度はさっきよりもはっきりと聞こえた。
しかも、それは一人ではなく数人のようだ。
耳を澄まして声のする方向を確認した。
それは、あの小屋の背後から聞こえているようだ。
まりあさまああ...
そこは木々が鬱蒼として続いている。
だが、なぜか僕は引っ張られるように小屋の向こう側の林の中に入っていった。
※※※※※※※※※※
どこまでも立ち並ぶ木々の間を何度もくぐりながら、声のする方へひたすら歩いた。
まりあさまああ……
どうやら徐々に声は大きくなってきているようだ。
僕は何かに取り憑かれたように、ひたすら歩いた。
声を出している人たちにただ会いたい、そんな気持ちだけで。
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えっ?
えっ?
なんなん
なんなんなんなんなん?