まりあさま
投稿者:ねこじろう (147)
長編
2024/02/09
16:27
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声はさらに大きくなり、すぐそばで聞こえてくるようになっていた。
まりあさまああ!……
僕も呼応するように、お~い!と叫びながら歩を速める。
─ようし、あと少しだ。
そう思った時だった。
※※※※※※※※※※
…………
─え!?
あれほど聞こえていた声がピタリと止んだ。
耳を澄ましてみるが何も聞こえない。
「そんな……」
僕は木にもたれかかりヘナヘナと座り込んだ。
いったいどれくらい歩いただろうか。
あれほど聞こえていた人の声が全く止んでしまった。
僕はひと際大きな木の根元にがっくり座りこんでいる。
そしてしばらくうなだれて呆然と地面を見ていると、なぜだろう目前の地面に見える影がゆらゆら動いているのに気がついた。
不思議に思い見上げると、空中で複雑に重なり合う枝枝の手前で何かが微かに揺れ動いているのが見える。
何だろうと目をこらした途端、ゾクリと背中を冷たい戦慄が走った。
それはもんぺ姿の女性。
枝枝の狭間から漏れる血のような赤黒い陽光に全身を包まれ、
もんぺ姿の女性が白いタオルに通した首を斜めにしてゆらゆらと揺れている。
僕は立ち上がると、恐る恐る近づいて目を凝らした。
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えっ?
えっ?
なんなん
なんなんなんなんなん?