理科室の人体模型 vs チーム悪ガキ
投稿者:kana (216)
おっさんは河川敷に住んでいるホームレスのオジサンだった。
ボクと、ガリとぐっちで河川敷で遊んでいるうちに、仲良くなったのがおっさんだった。
大人の癖に働きもせず、でも、他の大人みたいに怖いこともなく、
ちょっと臭かったけど、子供と同じで遊ぶのが大好きな変なオジサンだった。
そのおっさんが、あの人体模型のお化けに捕まった後、殺されたに違いない。
その日の昼間、テレビのニュースでもやっていた。
取材記者が現場から叫んでいる。
「〇〇区の××小学校で昨夜未明、不法侵入した男性が学校内で死んでいるのを、この学校に勤める用務員が発見し警察に届け出ました。亡くなった男性は身元を証明するものを所持しておらず、身元判明には時間を要するとのことです。また遺体には激しい損傷があることから、警察では事件の可能性を否定できないとし、殺人事件として捜査に当たっている模様です。また現場検証の結果、体育館横の開いていた扉から侵入したことが足跡などから判明しているものの、被害者以外に不審な足跡が無いことから、捜査は難航しそうだとの見方が広まっています。・・・現場からは以上です」
被害者の足跡しか見つからない・・・そりゃそうだろう。ボクら子供は上履きに履き替えたし、そうなれば大勢いる生徒たちの足跡と混ざってわからなくなってしまう。ましてや人形の足跡など出ないだろう。指紋もだ。
・・・それにしても、自分の学校をテレビで見る日が来るとは思ってもみなかった。
ボクはガリとぐっちに電話して、おっさんのいた河川敷に集まるよう誘った。
河川敷のテントには、もう警察が群がっていた。テレビでは身元不明なんて言ってたけど、
遺体がホームレスなのは見ればわかること。学校の近くでホームレスがいると言えば河川敷くらいしかない。警察にバレるのも時間の問題だったわけだ。周辺で聞き込み捜査もされているようだった。
ボクらはその様子を遠巻きに見ながら相談していた。
ガリ「どうしよう・・・警察の人にしらせるべきかな?」
ぐっち「だけど、夜中に学校行ったのばれたら怒られるかもよ」
「それに、ボクらはおっさんを見捨てて逃げたじゃないか。おっさんが死んだのはボクらのせいかも」
ガリ「うわ~~ん、そんなのヤダよ!」ガリが泣きだした。
ぐっち「泣くなよ・・・」
「だから・・・おっさんのカタキはボクらでとろう!!」
ぐっち「どうやって?・・・あのバケモノをボクらで倒せる?」
ガリ「怖いよ・・・」
「簡単さ!あいつは夜になったら生き返るんだ。昼間はタダの人形さ」
ぐっち「そうか、昼間に倒せばいいんだ」
ガリ「でも、人形だし、バラバラにしても夜になったら元通りになったりしない?」
「う~ん・・・息の根を止める方法か・・・」
ガリ「叩いてもダメ、切ってもダメ・・・」
ぐっち「煮ても焼いてもダメか」
「??・・・焼く?・・・焼く・・・焼くのはいけるんじゃないか?」
ガリ「そうだ、プラスチックでできてるし、よく燃えるはずだよ」
なかなか良作
面白かった
思い切った、振り切った作品だね
怪談ながらも、少年たちによる見捨てた友のための怪物への復讐劇、少年たちが知恵を絞り怪物を倒す冒険劇、である。
少年漫画的な爽快感がある。
面白かったです!見事に騙されました。おっさんいい人だったなぁ。
学校の七不思議を解決(破壊?)していく冒険活劇も期待できますね!
どこへ行こうと言うのかねがムスカで草