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妖怪・風習・伝奇

kanaさんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

理科室の人体模型 vs チーム悪ガキ
長編 2024/02/01 07:00 8,248view
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そう思っていると、突然後ろから声をかけられた。

「やぁ、みんな、ボクを探しているのかな?」

「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」

そこには人体模型が立っており、目をギョロギョロさせながらボクたちに話し掛けてきた。

ガリ「うわぁぁ!逃げろぉぉぉ!!」

ぐっち「ひぃぃぃぃ!!」

おっさん「あっ、あ、わわわ、待って、待って・・・」

ボクらは後ろから襲われた関係で、一旦理科室内に逃げ込んだ。

「どこへ行こうと言うのかね!!」人形が足早に近づいてくる。
半分はヒトの姿、半分は筋肉と内臓を露出した人形がカシャン、カシャンと硬い足音をさせて近づいてくる。

「うわぁぁぁぁ」ボクらは反対側のドアまで走り、そこから廊下に出て逃げた。

「待ちたまえ!!」追ってくる人形。

「あっ、あわわ、イテテっ・・・」おっさんが転んだ。あいつは運動音痴なので足がもつれたのだろう。だが、助けに戻ることもできない。もうすぐ後ろまで人形が来ているのだ。

ガリ「早く立てーーー!!」

ぐっち「追いつかれるぞ!!」

「みんな逃げろー!!」ボクらはおっさんを置いて逃げた。

体育館横の出口まで走った。・・・が、しばらく待ってもおっさんが来ない。

「あいつはオレたちより体がデカイし、力も強いから。きっと一人でなんとかするさ」そうボクが言うと、ガリもぐっちもそれに同意し、おっさんを見捨ててとっとと家まで逃げ帰ることにした。・・・こうしてボクらの夜の冒険は終わった。

・・・・・・

翌朝、あれから一睡もできなかったボクは、学校へ行くのが恐ろしくなり、

なんとか仮病を使ってズル休みをする算段を企てていた。

そんな時、母親がズカズカと部屋に入って来た。

「あんた、今日学校休みだってさ。なんかあったみたいよ。連絡網来てるわ」

「えっ・・・なんかって?」ボクは心当たりがあったが、知らないフリをして聞いてみた。

「わかんないわよ、でも今日は学校臨時休校にするって」そう母親が言ってるそばから黒電話が鳴り始めた。どうやらクラスメイトのお母さんつながりの電話のようだ。

「ハイ・・・はい?・・・えぇっ、そうなの!?うそぉ!!・・・うん、わかった。ありがと」

「お母さん、どうしたの? 何かわかったの?」

「あのね・・・学校で殺人事件だって。夜中に浮浪者の男が学校に忍び込んだらしいんだけど、死体で発見されたんだって!!怖いわ~!! 今、学校の周り警察でいっぱいらしいわよ」

(・・・おっさんだ・・・アイツ、逃げられなかったんだ・・・)
ボクは布団を頭までかぶってガクガク震えた。

2/7
コメント(3)
  • なかなか良作
    面白かった

    2024/03/19/12:45
  • 思い切った、振り切った作品だね
    怪談ながらも、少年たちによる見捨てた友のための怪物への復讐劇、少年たちが知恵を絞り怪物を倒す冒険劇、である。
    少年漫画的な爽快感がある。

    2024/03/31/17:04
  • 面白かったです!見事に騙されました。おっさんいい人だったなぁ。
    学校の七不思議を解決(破壊?)していく冒険活劇も期待できますね!

    2024/04/08/21:45

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