理科室の人体模型 vs チーム悪ガキ
投稿者:kana (210)
そう思っていると、突然後ろから声をかけられた。
「やぁ、みんな、ボクを探しているのかな?」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」
そこには人体模型が立っており、目をギョロギョロさせながらボクたちに話し掛けてきた。
ガリ「うわぁぁ!逃げろぉぉぉ!!」
ぐっち「ひぃぃぃぃ!!」
おっさん「あっ、あ、わわわ、待って、待って・・・」
ボクらは後ろから襲われた関係で、一旦理科室内に逃げ込んだ。
「どこへ行こうと言うのかね!!」人形が足早に近づいてくる。
半分はヒトの姿、半分は筋肉と内臓を露出した人形がカシャン、カシャンと硬い足音をさせて近づいてくる。
「うわぁぁぁぁ」ボクらは反対側のドアまで走り、そこから廊下に出て逃げた。
「待ちたまえ!!」追ってくる人形。
「あっ、あわわ、イテテっ・・・」おっさんが転んだ。あいつは運動音痴なので足がもつれたのだろう。だが、助けに戻ることもできない。もうすぐ後ろまで人形が来ているのだ。
ガリ「早く立てーーー!!」
ぐっち「追いつかれるぞ!!」
「みんな逃げろー!!」ボクらはおっさんを置いて逃げた。
体育館横の出口まで走った。・・・が、しばらく待ってもおっさんが来ない。
「あいつはオレたちより体がデカイし、力も強いから。きっと一人でなんとかするさ」そうボクが言うと、ガリもぐっちもそれに同意し、おっさんを見捨ててとっとと家まで逃げ帰ることにした。・・・こうしてボクらの夜の冒険は終わった。
・・・・・・
翌朝、あれから一睡もできなかったボクは、学校へ行くのが恐ろしくなり、
なんとか仮病を使ってズル休みをする算段を企てていた。
そんな時、母親がズカズカと部屋に入って来た。
「あんた、今日学校休みだってさ。なんかあったみたいよ。連絡網来てるわ」
「えっ・・・なんかって?」ボクは心当たりがあったが、知らないフリをして聞いてみた。
「わかんないわよ、でも今日は学校臨時休校にするって」そう母親が言ってるそばから黒電話が鳴り始めた。どうやらクラスメイトのお母さんつながりの電話のようだ。
「ハイ・・・はい?・・・えぇっ、そうなの!?うそぉ!!・・・うん、わかった。ありがと」
「お母さん、どうしたの? 何かわかったの?」
「あのね・・・学校で殺人事件だって。夜中に浮浪者の男が学校に忍び込んだらしいんだけど、死体で発見されたんだって!!怖いわ~!! 今、学校の周り警察でいっぱいらしいわよ」
(・・・おっさんだ・・・アイツ、逃げられなかったんだ・・・)
ボクは布団を頭までかぶってガクガク震えた。
なかなか良作
面白かった
思い切った、振り切った作品だね
怪談ながらも、少年たちによる見捨てた友のための怪物への復讐劇、少年たちが知恵を絞り怪物を倒す冒険劇、である。
少年漫画的な爽快感がある。
面白かったです!見事に騙されました。おっさんいい人だったなぁ。
学校の七不思議を解決(破壊?)していく冒険活劇も期待できますね!