オヤゴコロ

そこに写っていたのは高橋さんと娘のツーショット写真だった。
娘はベッドにぐったりと力無く仰向けになっており、顔中が包帯で覆われていて所々に血が滲んでいる。

「娘は私と夫の悪い部分が遺伝しちゃったみたいでね。男の子ならともかく女の子は可哀想でしょ？やっぱり目はパッチリした方が可愛いからね。腫れぼったい目は埋没法じゃなくて全切開にしてもらったの。その方が確実だからね。ついでに下瞼も切開して涙袋も作ってもらったのよ。後は全体的にシャープな印象になるように顎と頬の骨も削って唇も一部切除して薄くしたわけ。もちろん鼻はプロテーゼを入れて高くしてるし。最初は痛い痛いって泣き叫んでまともに食事も取れなかったけど今はだいぶ馴染んできて早ければ来月には包帯が取れて学校に復帰できるみたい。ま、定期的にメンテは必要だけどね。」

高橋さんは愛おしそうに画面を眺めている。

「我が子には自分と同じ思いはさせたくないじゃない？手術はすごい嫌がってたけど、いつかお母さんに感謝する日が来るからって言い聞かせてるの。」

朗らかに高橋さんは笑った。