奇々怪々 お知らせ

不思議体験

kanaさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

【強行遠足事件】-女子高生 朽屋瑠子-
長編 2023/12/08 18:22 14,028view
5

こうして朽屋一行はほぼ最後尾の位置にいた。

その頃スタート位置に近い先頭集団では・・・

バスケ部主将「オイ、朽屋はどこだ?先頭集団にいないぞ?」

陸上部主将「トップを狙うなら必ずこの中にいるはず!!」

卓球部員「オーイ!!朽屋がいたぞー!最後尾にいる!!」

ΩΩΩ「な、なんだってーーー!!」

バスケ部主将「くっそぅ、朽屋め、そう来たか・・・」

陸上部主将「なんだ?何か策でもあるというのか?」

バスケ部主将「たぶん、最後尾から出発して、全員をごぼう抜きにして楽しむつもりだ!!」

陸上部主将「な、なんてやつだ朽屋・・・恐ろしい子・・・」

貴澄頼子「ルコちゃん、さんざんな言われようね。私も最後尾に行こうかしら」

やがてスターターピストルが鳴り響き、一斉に出発しだした。

先頭集団の運動部たちは、これがラストスパートかというようなスピードで駆け出す。

陸上部主将「いいか、周りの速度に惑わされるな!作戦通りのペース配分だ!」
ΩΩΩ「ハイ!!」

貴澄頼子「さっすが運動部。目つきが違うわ」頼子はペースを落とし、朽屋たちを待つことにした。運動部員たちが走り去り、一般生徒の中で走るもの、歩くものとさまざまな集団が通り過ぎ、やがて最後尾についていた朽屋たち一行があらわれた。

「おーいルコちゃーん」

「わーお、頼子氏待っててくれたの~?」

「もつべきものは友達でしょ?呉越同舟、一蓮托生よ」

「うーん、なんとなく微妙に意味違うような気もするが・・・ま、いいか」

4人が一緒に歩くことになった。

一番遅い亀井静香の速度に合わせ、なにげない会話をしながら歩いて行く。
昨年、全員をぶっちぎって1位を取った朽屋は、実はその時のことを少し後悔していた。
ぜんぜん楽しくなかったのである。ただ勝ち誇っただけで、誰から褒められることもなく、
運動部からは目を付けられるし、スカウトされるのも面倒くさいしで散々だった。
今年も返り討ちにしてくれようなどと思っていたが、こうして友達と歩きながら、景色を見ながらの遠足は学生らしくて満足していた。朽屋は今、楽しんでいる。

反面、トップ集団はざわついていた。

陸上部主将「こないな・・・朽屋・・・」

剣道部主将「あぁ、今年は不調なのか?」

4/13
コメント(5)
  • kamaです。朽屋瑠子シリーズ第14弾は高校時代の「強行遠足事件」です。
    ジャンルを不思議体験のところに入れたので、「創作なのになんで体験なんだよ~」と思う方もいるかもしれませんので一応弁明させていただくと、朽屋瑠子シリーズは楽しめるロマンホラー要素をもちつつ、ボクの書いた怪談を解決していく役目を持っています。で、今回のお話はボクが高校時代に体験した「強行遠足2年目の死」という実体験を朽屋たちに追体験してもらって、おもしろおかしくしてもらおうと考えた企画なので、ベースはボクの体験なのでいいかな、と思ってこのジャンルにしました。みなさんもぜひ、エンタメとして気軽にお楽しみください。

    2023/12/08/18:32
  • 実体験をベースにしたようですが、車の中に白骨を見つけたのですか?

    2023/12/09/16:57
  • よかったです。休み時間に読んでてあぶなく泣きそうになりました。

    2023/12/11/12:21
  • 今回は、友情、協力、諦めない、色々な要素が盛りだくさんで面白かったです。

    2023/12/12/02:04
  • ↑kamaです。コメントありがとうございます。楽しんでいただいてなによりです。
    相棒の貴澄頼子が、高学年になるほど辛辣になって行くところも、シリーズ通して見るとおもしろいですよ。お楽しみください。

    2023/12/12/22:10

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。