【UFO撃墜事件】-女子大生 朽屋 瑠子-

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地上シュミレーターでの訓練を終え、T38Cタロンで初飛行した朽屋は、物語冒頭の命知らずなマニューバを行い、同乗の教官をげっそりさせた。
その数日後、物語は再び空の上に戻る。

朽屋と教官が搭乗するタロンがいつものように・・・いつもより少し大人しく飛行をしていた時、通信が入る。

「こちら第27戦闘飛行隊所属、ハルトマン大尉だ。マーベリック、私と戦闘訓練してみないか?」

その通信を横から教官が遮る。
「ハルトマン大尉、どういうつもりだ。キミはショガリ(初心者狩り)が好きなのかね?」

「失礼ですが教官、こんな年端も行かぬ子供を軍事作戦に参加させるなんて、私は納得していません。なぜ我々を差し置いてこんなガキ・・・いや、失礼。クッチャルコなんてやつを・・・・・・私に勝って見せろとは言いません。が、そこそこの技量は見せてもらわねば納得がいきませんよ!!」

教官がだまっていると、地上からエリオット大佐が入って来た。

「オーケー、ハルトマン大尉。大尉の言う事ももっともだ。遅かれ早かれ戦闘訓練は必須。
やってみたまえ。ただし、条件がある」

「大佐、ありがとうございます。条件とはなんですか?」

「大尉、キミの乗っているのは世界最強のF22ラプターだ。かつて最強の名を欲しいままにしたF15イーグルに対して1:144というキルレシオを持つ化け物だ。対してマーベリックの乗っているのは複座の練習機。火器管制レーダーもついていない退役間近のタロンだ。
君が遠方からロングレンジ攻撃を仕掛ければ、大尉、1万回やっても君が勝つ」

「判ってます大佐。ロングレンジナシ、ミサイル無しのバリバリのドッグファイトでお相手いたしましょう」

「よし、それならやってみたまえ」大佐が許可を出した。

それを聞いた教官は頭を抱えた。
「なにがドッグファイトだ。F22はドッグファイトでもF15より強いじゃないか・・・」

「教官!」朽屋が教官に声をかけてきた。

「おもしろいことになりましたねw　いっちょ返り討ちにしてやりましょう!えーと・・・
目標をセンターに入れてスイッチ!!目標をセンターに入れてスイッチ!!目標をセンターに入れてスイッチ!!・・・こんな感じですかね?」

「・・・たのしそうだな、キミ・・・」

(ビーー!!)警告音が鳴る。

「はい、撃墜」とハルトマン大尉。

「えっ、もう始まってるの?」驚く朽屋。
見ると背後にF22ラプターの大きな翼が迫っていた。

「オラオラ、マーベリック! ノンビリしてる場合じゃねーぞ!!」大尉が煽ってくる。

「うわぁぁぁぁ!」逃げ惑う朽屋。

(ビーーー!!)