【UFO撃墜事件】-女子大生 朽屋 瑠子-
投稿者:kana (210)
オファニムの目から再び閃光が走る。2番のミサイルが撃ち落されたその横をすり抜けて、3番のミサイルがオファニムに命中する。
爆発と共に、まるで蛍光灯が切れるかのように、オファニムの輝きが消えた。
オファニムの周辺に、なにかチリチリとオレンジ色の光が走っている。
バリアが破られたのだ。
「大尉!ミサイルぶち込んでやってください!!」朽屋の叫びが聞こえる。
ハルトマンのF22から、魔弾ではない通常のアムラームミサイルが発射される。だが問題ない。すでにバリアは除去されているのだ。ミサイルはオファニムの目の中心に突き刺さり、爆発した。
「きゃああああああああ!!」
あたりに響き渡るオファニムの不気味な断末魔。そして滝のように血しぶきを流しながら墜落していくオファニム。
「やった・・・牛ちゃん・・・カタキはとったよ・・・」朽屋は安堵した。
「マーベリック!オイ大丈夫か?・・・おまえ、3発目は予備だから、使っちゃダメなんじゃなかったのか?」大尉が問う。
「なぁに言ってんですか。予備ってのは、使うためにとっとくから予備って言うんですよ」
「大丈夫か?本当に。いいか、これから帰投するぞ。基地に帰るまでが作戦だ! いいな?」
「ラジャ! マーベリック、状況終了!帰投します」
「マーベリック、意識はどうだ?もし、ダメそうなら意識があるうちにベイルアウトしろ」
「大丈夫です・・・脱出なんて・・・この飛行機、1億5000万ドルもするんでしょ?」
「バカ、カネより命だ。しっかりしろ」
「・・・・・・クゥ・・・・・・」
「マーベリック?・・・オイ、寝息たててないか?」
朽屋のF22は、やや力なくゆっくりと下降をはじめた。
「マーベリック!マーベリック!!・・・メーデーメーデー!マーベリックが意識を失っている」
「こちらサタンズエンジェルス、マーベリック応答せよ」
朽屋の応答のないまま、時間だけがすぎていく。F22は今のところ安定して飛行を続けているが、さらに下降を強めていた。
「あぁ、くそ、どうすることも出来んのか?」焦り出すハルトマン大尉。
・・・・・・
その頃、ローマのsap大学学生寮のベッドの中で、ベアトリーチェ・頼子は夢を見ていた。
夢の中で頼子はなぜか大学のカフェで朽屋 瑠子と一緒にコーヒーを飲んでいた。
使っているカップは高校卒業時に分かち合ったマグカップだ。
(今まで楽しかったねぇ、頼子ちゃん・・・)
kamaです。自分で書いてて一番好き。朽屋瑠子シリーズ第13弾はアメリカの大学に通いつつ、UFOと遭遇するお話です。3連休のお供に、ぜひお楽しみください。ここで重要な出会いがあったりしますね。
ところで、作中「MIB」メン・イン・ブラックが登場しますが、ここではちよっとダサめな「ブラックメン」という呼称を使っています。これはボクが中山市朗先生の代表作『山の牧場』が大好きすぎて毎晩聞いて寝ていて、そのせいでそこに出てくる「これがブラックメンだ!」という少年の目撃例として使われるセリフが頭の中をぐるぐる回って、これはもうMIBではなくブラックメンと呼ぶしかない!!と思って使わせていただきました。
今田美桜で実写化して欲しい
藤井マリーはどうか?
クチヤさん、これ最後、ハルトマン大尉とバーに行った後いい感じになってやってますねぇコレは。
なんか無性に牛乳が飲みたくなった。
↑コメントありがとうございます。実写化とか、夢があっていいですね~~~妄想が膨らみます。
朽屋さんのプライベートに関してはボクは口をはさみません。もう大人ですし、恋愛は自由です。
あと、牛乳おいしそうでしたか?実はラストでもう一回現代に戻して三上と牛乳のみにいくオチも考えてたんですけど、まぁそれはまたの機会にとっておきます。
韓国語の怪談サイトでこちらのお話が取り上げられてましたね。やはり朽屋 瑠子シリーズは海外でも人気です!