【鬼ぃちゃん事件】-事件記者 朽屋 瑠子-
投稿者:kana (210)
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ステファノ神父にお願いして、特別に体育館を開けてもらった。
そこにテコンドーの道着を着た綾辻と、黄色いジャージの朽屋が立った。
前回、九郎から「キルビルみたい」と揶揄された松濤組のジャージだ。
「・・・朽屋先輩、キルビルみたいでカッコイイですね!」
「おまえも言うかぁぁぁぁ!!」とりあえずポーズをとって見せる朽屋。
向かい合う二人。
「綾辻、防具はどうした。ヘッドギアはつけないのか?」
「安全じゃ意味ないんです。ピンチにならないと『鬼ぃ』は来てくれないんです!」
「よしわかった。それじゃあ痛い目見てもらおうか!」
殴りに行く朽屋の腕をかわし、綾辻の蹴りがまるでヘビのようにうねり、朽屋の頭部に届く。
寸でのところで身を引く朽屋。
「ヒュ~。やるな綾辻、足が長くて柔らかいから、間合いが読めないぞ」
事実、綾辻の蹴りは想像していたよりも遠く、高く届くようだ。
「遠慮なく行きますよ先輩!!」
綾辻の怒涛の蹴りが来る。長い間合いからのカカト落し(ネリョチャギ)が来たかと思うと、まるでダンスでもしているかのようにくるりと回転しながら後ろ回し蹴りが飛んでくる。射程が長い。さすがの朽屋もいくつか打撃を受ける。
負けずに朽屋もハイスピードの蹴りを繰り出し、綾辻の右脇に入る。体ごと吹っとぶ綾辻。
「大丈夫か綾辻!?肋骨折れてないか?」
「さすが、先輩・・・スルドイ蹴り・・・でも大丈夫!情けは無用ですよ、先輩!」
綾辻が限りなく自分の技を全力で繰り出す。だが、時間がたつにつれ正直焦りはじめていた。
自分の技が朽屋にはクリーンヒットしなくなってきた。それどころか朽屋が自分の間合いに入ってくるようになった。技が通用しなくなってきている。動きを見切られ始めているのだ。
綾辻との激しい打ち合いが続く中で、朽屋はこの状況を楽しんでいた。
しかし、100%の本気は出せずにもいた。なぜなら朽屋が本気を出せば綾辻は本当に体中を骨折してしまうし、痛い目どころではすまなくなる。朽屋の力はすでに人間相手ではオーバーキル状態なのだ。こんな将来有望な選手を再起不能にするわけにはいかない。
朽屋の脳裏には自然にそんな考えが浮かんでいた。
いったん休憩・・・
床に倒れ込む二人。
「綾辻、おまえ強いなぁ・・・大学行っても選手やるんだろ?絶対全国制覇できるよ」
「はぁはぁ・・・ありがとうございます先輩・・・でもさすが伝説の先輩。なんでそんなに強いんですか? 私また自信なくしちゃいそうです・・・」
「・・・それはね、私がズルしてるからさ」ストレッチしながら答える朽屋。
「え~ズルですか?・・・どんな??」
kamaです。朽屋瑠子シリーズ第12弾は、前回の「赤騎士事件」の流れを汲みながら以前公開した【鬼のいる街】という作品の解決編ともなっています。今回はアクションも多いので、マンガ的に楽しめるのではないかと思います。よろしく~~
瑠子シリーズ大ファンの地方在住者です。赤鬼のお兄さんと妹の香織ちゃん、某アニメを彷彿させるようで感動しました。九郎ちゃん♀と瑠子のバディ、これからも期待しています。
↑kamaです。コメントありがとうございます。いつもありがとうございます。楽しんでいただけたでしょうか。多分この後、組織は綾辻兄妹をスカウトするんじゃないですかね~。またいつか再登場する日も来るかもです。ちなみに、朽屋愛用のマグカップについてですが、実は第一話ですでに登場しております。三連休ヒマだ~という方は、ぜひ朽屋瑠子シリーズ読破してみてください~~~
10/7(土)21:00 渋谷区道玄坂のスクランブル交差点で暴走車が7人を撥ねる事故。
朽屋瑠子で渋谷が舞台というので、なにかあるだろうなとは思っていたが。
何と!死んだはずの赤い馬が調教されカプセルに封印されていたとは。
↑kamaです。そうです。朽屋はこれでケルベロスと赤い馬の2頭を使い魔として使役することになりました。カプセルの描写は、もちろんウルトラセブンのカプセル怪獣のオマージュです。もう何体か欲しいですね。
その事件って本当にあったんですか?違うならKamaさん天才ですね