【鬼ぃちゃん事件】-事件記者 朽屋 瑠子-
投稿者:kana (210)
「おもしろい名前の大学ですね」
「でしょ・・・それにしても懐かしいな~。思い出すわ。ここの卒業式の日にね、ルーカ神父が退任の記念品としてブランド物の腕時計を学校から貰ってね、それを私がチョーダイ!!ってゴネたんだけど、やっぱりダメでね・・・」
「それはそうでしょうネー」
「かわりに腕時計に付いてきた特典のマグカップがちょうど3個あったから、それを3人で分け合ってね。たしかルーカ神父がバイクで、頼子ちゃんがサーファーのミニバン、私のは昔の戦闘機の絵が描いてあるやつ。今でも愛用してるのよ。3人の友情の証ってやつ」
以前と変わらぬ教会の様子を見ながら、懐かしい情景を思い出す朽屋。
そうこうしていると、一人の女子高生が教会にやってきた。
「朽屋先輩~!お待たせしました~」
「あぁ、待ち人来たる・・・ですね。それでは私は執務室におりますので、ごゆっくり」
ステファノ神父が二人に場を譲って執務室へ下がって行った。
ちなみに、このステファノ神父はルーカ神父とは違い法王騎士団には所属していないので、基本的に魔物とは戦闘をしない。つまり通常の神父様であり、教育目的で派遣された方だ。
「あのぅ先輩、一昨日の夜は失礼しました・・・帰ってから恥ずかしくなってもう・・・」
「あはは、いいっていいって。学校にも内緒にしとくから心配せんでええよ」
「ああ~よかった。じゃあ私も朽屋先輩が女の子と二人でラブホ街を歩いてたの、内緒にしておきますねっ!」
「いや、オイちょっと待て! それは誤解だってばよw」
とんだ誤解を解くためにしばし時間を要す二人・・・。
・・・・・・
「では~誤解もとけたところで、本題に入りましょうか・・・。綾辻さん、相談したいことがあるんだよね?」
「はい・・・実は、私の兄の事なんですけど・・・」
「お兄さん?」
「私には兄がいたのですが、今から4年ほど前、私がまだ中学2年の頃、事故で亡くなってしまったんです・・・」
だまって聞く朽屋。
「当時、兄は大学で空手を、私は中学でテコンドーをやっていて、お互い切磋琢磨しあう仲でした。・・・でも、お兄ちゃん・・・兄が亡くなってからはなかなか練習にも身が入らなくて・・・私、高校に入ったあたりからヤサグレてしまって、友達と夜の町に繰り出したりして・・・危なくなってもテコンドーでなんとかなるでしょって甘い考えで・・・」
綾辻が一呼吸おく。教会内を静寂が支配する。
「それで、去年のことなんですけど・・・夏休みだったし、私、友達と渋谷の街で遊んでたんです。そしたらタチの悪いやつらにナンパされて・・・私は友達を逃がして、一人で男たちと戦ったんです・・・」
「・・・もぅ、危ないことを・・・ちゃんと勝てたの?」朽屋が心配して聞く。
「それが、練習も怠ってたせいか自分の技が相手にぜんぜん効かなくてw、
逆に捕まってケチョンケチョンにやられて・・・服までやぶかれちゃって・・・」
「も~・・・言わんこっちゃない・・・」ガックリ下を向く朽屋。
「その時骨折までしちゃって、あはは・・・」
kamaです。朽屋瑠子シリーズ第12弾は、前回の「赤騎士事件」の流れを汲みながら以前公開した【鬼のいる街】という作品の解決編ともなっています。今回はアクションも多いので、マンガ的に楽しめるのではないかと思います。よろしく~~
瑠子シリーズ大ファンの地方在住者です。赤鬼のお兄さんと妹の香織ちゃん、某アニメを彷彿させるようで感動しました。九郎ちゃん♀と瑠子のバディ、これからも期待しています。
↑kamaです。コメントありがとうございます。いつもありがとうございます。楽しんでいただけたでしょうか。多分この後、組織は綾辻兄妹をスカウトするんじゃないですかね~。またいつか再登場する日も来るかもです。ちなみに、朽屋愛用のマグカップについてですが、実は第一話ですでに登場しております。三連休ヒマだ~という方は、ぜひ朽屋瑠子シリーズ読破してみてください~~~
10/7(土)21:00 渋谷区道玄坂のスクランブル交差点で暴走車が7人を撥ねる事故。
朽屋瑠子で渋谷が舞台というので、なにかあるだろうなとは思っていたが。
何と!死んだはずの赤い馬が調教されカプセルに封印されていたとは。
↑kamaです。そうです。朽屋はこれでケルベロスと赤い馬の2頭を使い魔として使役することになりました。カプセルの描写は、もちろんウルトラセブンのカプセル怪獣のオマージュです。もう何体か欲しいですね。
その事件って本当にあったんですか?違うならKamaさん天才ですね