【アジサイ事件】-事件記者 朽屋瑠子-
投稿者:kana (210)
二人の霊は、輪郭こそボヤけているが、一人は中年女性、もう一人はお婆さん・・・写真で見た行方不明の長谷川さんによく似ている気がした。二人とも、アジサイの花に寄り添って立っている。
「お婆さん・・・やっぱり亡くなってたみたいね。でもなぜこんなところに?」
そう思ってさらに観察していると、突然お屋敷の扉が開き、中からヒョロリとした青年が顔を出した。
「あの~、どうかされましたか?ウチに何か御用ですか?」青年は気弱そうに尋ねてきた。
(やべっ、家の人出てきちゃった)
「あはは、すいません!あまりにアジサイが綺麗で見とれちゃってました!」
「あぁ、そうなんですね・・・」
「あの、ワタシ、月刊モーという雑誌の記者をしてまして、朽屋瑠子と申します。今お隣のお婆さんの・・・」
「あああ~~~~~!!月刊モーの、朽屋さん!?」
「えっ、は、はい・・・」
「ぼ、ぼく、月刊モーの大ファンなんです!いつも読んでます!」
(えええ~・・・あの雑誌に読者なんていたんかぁ・・・)
「く、朽屋さんの記事も大好きです!、ほら、前にあった、UFOで猫狩りをするキャットミューティレーションの話、あれ最高だったなぁ~」
「あはは、光栄です(あんなんで喜ぶ読者がいるんか~~)」
「よ、よかったらお茶いかがですか?歓迎します!」
「そうですかぁ~、じゃ、お言葉に甘えて・・・(月刊モーが初めて役にたったわ・・・)」
青年に誘われ、屋敷の門をくぐる朽屋。
(この子・・・大学生かな?・・・この時間に家にいるんだから、働いてるわけじゃなさそうだし・・・お金持ちそうだから働かなくてもいいのかな?)
「うれしいな~月刊モーの記者さんとお話できるなんて~ちょっと待っててくださいね。
今飛び切り上等のアールグレイを淹れてきますね」
「ハイ、ありがとうございます~」
青年がキッチンへ行っている間に朽屋は窓の外を覗いてみた。
真っ赤なアジサイの側には、相変わらず霊がたたずんでいる。
「長谷川さんの霊がここにいるということは、彼女はここで殺された可能性が高い・・・。
その隣の女性は誰かしら・・・あっ!」
朽屋は部屋の中を見回して、レンガ造りの暖炉の上に置いてある家族の写真に目が留まった。真ん中にまだ幼い頃の青年と、両親と思しき人物が映っている。
そして、そこに映っている女性と庭に立っている霊が、雰囲気がよく似ている。
だとしたら、あの女性は青年の母親のなのだろうか。
「それ、うちの両親です」
「えっ、あぁ、そうですか(うわーびっくりした、いつの間にか戻って来てた)」
kamaです。自分で書いてて一番楽しい完全自己満足の「朽屋瑠子シリーズ」もおかげさまで8話目となりました。今回は、いつもの妖怪・悪魔退治とは打って変わって対人間です。
ボクの作品を読んでくれている方ならお分かりと思いますが、以前投稿させていただいた
「アジサイガサイタヨ」の解決編となります。あちらの作品をまず読まれてから、こちらお話を読まれると、世界観が広がってより楽しめるかもしれません。
じっくり楽しんでいってください。
解決編で犯人が判りスッキリしました。犯人はロリコン変態気質かな?身震いがするような恐さがありますね。
やはり悪い事をすれば天罰がくだるんです。
↑kamaです。コメントありがとうございます。
「アジサイガサイタヨ」のお話は殺人犯が犯行をやり遂げて、そのまま終わったことで非常な不快感を持って終わりましたが、クッチャルコがそれを回収できていれば幸いです。朽屋も最後は目をつぶってましたしね。裁かれるべくして裁かれた、という感じでしょうか。次回作もお楽しみに。
最後のほうに「そば屋に出る幽霊」の解決篇が今から期待しています。
↑kamaです。それもおもしろそうですね。
札幌のホテルで首を切断された男性遺体。
朽屋瑠子が公開されると、似たようなキーワードの事件が発生する。
とくのしんです。コメント返しです(笑)
シリーズ化凄いですよね。それに投稿数も凄いと感心しちゃいます。
自分は単発物しか書いていませんが、話の仕入と仕事の合間しか書かないので、頑張っても投稿数は1~2程度が限界です。
kamaさんのこのシリーズは個人的に凄く楽しめているので、これからも怖くて面白い話の投稿楽しみにしています。
↑kamaです。ひょえ~~~とくのしん様、ありがとうございます。
朽屋瑠子シリーズは自分で書いてて一番楽しい作品です。なんたって過去の書いたお話のプロットはそのままに、別視点で解決編を書けますからね。キャラたちが勝手に動いて事件を解決していくのでボクも楽しみにしております。
お褒めを頂いた投稿数も、そろそろネタ切れですから、これから頻度は下がると思いますが、今後ともよろしくお願いします。とくのしん様作品はかならず全部読ませていただきます~~ありがとうございました~!
アジサイ含め、彼が育てていると言った植物はすべて毒草ですね。
面白かったです!
胸の第3ボタンを外すと大爆発・・・ビジンダーですね。