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都市伝説

rarkさんによる都市伝説にまつわる怖い話の投稿です

ユウガオの花
長編 2023/06/27 17:11 9,578view
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シャン……ドン♪……ドン…♪ピー…♪
シャン……シャン……♪

遠くから祭囃子のようなものが聞こえて来ます。

「じいちゃん。なんか笛みたいな音聞こえる……」

と、祖父に言うと、

祖父「来よった!道化人どもや!
車乗ってから話すけぇ。とりあえず乗れ!」

と言って、まずあっちゃんを後部座席に乗せます。すると祖母が僕の元にやってきて、昨日、例のピエロに貰った、カランコエの花を僕に渡し、

「絶対無事に帰るんよ!」

と言って、僕を後部座席に乗せます。そして、祖父が助っ席に乗りこみ、それから五分くらい車を走らせ、峠を超えるための山道に入ったところで、未だ状況を掴めない僕達2人に祖父が語り始めます。

「今からこの町から出る。狙われとるけんな。」

祖父の話によると、

「慶長12年。まだお侍さんがおった頃や。同時の村は、とにかく災害が多かって、どんどん村人が死んで、村の連中は最終手段を取ったんや。「道化人の迎え入り」というまぁいわゆる生贄みたいなもんや。数年に1回村の誰かに、一通の手紙と、一輪の花が送られる。手紙の内容はそれぞれ異なるが、その送られてくる花は、決まってカンナの花ということや。ここ50年。こんなことはなかったんやけどな。こうなってしまった以上。街の外に出るしかない。」
そして、道化人が来る以上、他所からきた僕がいることもまずいらしいそして、あの神主さんは、僕らを逃がすための、囮として祖父母の家に残ったとのこと。

そうこうしている間にもうすぐで、峠をこえるという時、

シャン……ドン♪ドン♪シャン……シャン……ピー♪……ドン♪……シャン

後ろから、祭囃子のような音が聞こえます。

運転手「んなアホな!!もう来よった!」

祖父「はよ、飛ばせ!!」

僕は、ふと後ろを振り返ります。

そこには20……いや、30……それよりも多い人影がゆっくりと歩いてきます。そして、その人全員が、
狐の面と、黒い着物をしています。
しかも、ゆっくりと歩いているように見えるのですが、僕らとの距離は全く広がらない。というか、どんどん近くなっている気がする。

祖父「まずい!!追いつかれるで!!」

運転手「いや無理や!アクセル踏んでもスピード出ん!」

「お迎えに来ましたゆえ。」

すぐ近くで声が響きます。気がつけば狐の集団は、車のすぐ隣まで来ていました。僕は不意にあっちゃんの方を見ます。

「……え?」

いないんです。さっきまで隣にいたはずのあっちゃんが。すると、

「いま行ひにけりや。ならば代はりに、なんぢをぐしゆく。
(もう行ってしまわれましたか。ならば代わりにお前を連れていく)」

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コメント(3)
  • 花言葉

    ユウガオ⇒夜
    カランコエ⇒あなたを守る
    カスミソウ⇒夢
    カンナ⇒永遠
    モリンガ⇒目覚め
    キンシャチ(サボテン)⇒儚い夢

    2023/06/27/17:14
  • 助っ席→助手席

    2023/08/26/01:42
  • カランゴエをわたしたピエロは味方?

    2023/11/09/11:23

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