【猫婆事件】-事件記者 朽屋瑠子-
投稿者:kana (216)
「K子ちゃんはこの事を知らないんですか?」
「あぁ、知らない。・・・K子には早く忘れるように言って勉強に打ち込ませたからね。おかげで東京の名門校にも進学できた」
朽屋はK子の父親に礼を言って別れ、お婆さんの家の跡地に寄ることにした。
「・・・じゃ気を付けるんだよ。またおいで。今度は若いモン紹介するから」
「あははは、ハイ~また来ます~・・・ヤレヤレ」
朽屋のジムニーが走り出す。
お婆さんの家は今は空き家で誰も手を付けず、廃墟になるままとなっていた。
「おっと・・・」
朽屋はそのお婆さんの家に近づけずにいた。
思った通り、なにかどす黒い怨念のようなものが渦巻いている。
「これ以上近づくと、こっちの存在がバレそうね」
そう考えた朽屋は一旦引いて村から出ることにした。
・・・・・・
日を変えて、朽屋はとある作戦を実行するため都内のペットショップを訪れていた。
「やっぱエサで釣るのが一番よねぇ・・・仔猫ちゃん仔猫ちゃん」
そう独り言をつぶやきながら、猫のガラスケースの前に立つ朽屋。
「うぅっ、超かわいい~ぐぬぬ」
「いらっしゃいませ。仔猫、かわいいですよねぇ。ちょっと抱いてみますか?」
「えっ!いいんですか!!」
「ハイ、もちろんです(ククク、猫にメロメロにされるがよい)」
「じゃあ・・・あっ・・・黒猫がいる!」
「さすがお目が高いですねぇ。黒猫はなかなかペットショップでも置いているところが少ないんですよ」
そう言いながら黒猫の仔猫を取り出す店員のお姉さん。
それを抱かせてもらう朽屋。
「うわ~やわらかい~すべすべの毛並み~・・・かわいいねぇ~おまぇ~・・・」
「やっぱり猫さんはこの柔らかな毛並みが魅力ですよね~」
「う~んカワイイ・・・黒にゃん黒にゃん」
黒猫を抱きしめて愛でまくる朽屋。数日前に見た夢の事を思い出していた。
(このことだったのかな・・・?)
「こちら、ボンベイという品種になりまして、純粋な黒猫と呼べるのは世界でもこのボンベイだけなんですよ」
kamaです。先日投稿させていただいた「仔猫」というお話の後日談となりますので、合わせて読まれると楽しさ倍増かと思います。
またこの「朽屋瑠子」シリーズも今回で5作目となりますので、合わせて他の朽屋瑠子シリーズ、とくにケルベロスが登場する1作目を読まれると、世界観が広がって楽しめるかと思います。
朽屋瑠子シリーズは、自分で書いてて自分が一番楽しんでるかもしれません。
次回作もお楽しみに~
後日談待ってました!瑠子が見た猫の夢が仕事に繋がった所も不思議ですが、お茶目で可愛らしい一面が見られました。ケルベロスが従順になったのも猫好きの瑠子だからかな?ちゅーるのくだりがクスっと笑えました!
↑kamaです。ありがとうございました。
実はケルベロスはいろいろな伝説の中で、パンなどの食べ物をもらってごまかされることが多く、甘いもの好きとも言われています。チュールはおいしかったのかもしれませんね。
なんとびっくり、麗子の怪談恐怖箱さんで、この作品が朗読されてる!