「部活って何があるのかな~プロレス同好会ないかな?
じゃなきゃオカルト研究会でも・・・」
残念ながら、どちらもミッションスクールの女子校にはなさそうだった。
「ねぇキミ、ちょっとやってかない?」上級生の女子が朽屋を誘う。そこは剣道部だった。
「あの人を竹刀で思いっきり叩いてもいいわよ~反撃しないから心配しないでいいよ」
そこには完全防備の剣道スタイルの子がいて、竹刀を持っている。
おそらく、反撃はしないが一発も当てさせないよ、というデモンストレーションなのだ。
「えー!ほんと?叩いてもいいの?」
「いいわよ。1発でも当たったらキャンディーあげる」
「やったぁ!」
「まだ当たってないでしょ!」
「そうだった」
朽屋が竹刀を持って剣道防具の先輩の前に立ち、構える。
その構えの完璧さ。思わず剣道部の全員が目を見張った。(こいつ、有段者だ!!)
しばらくにらみ合いの間があって、防具の先輩が声を漏らした。
「ちょ・・・ま、待っ・・・!」
だがその隙が出来た瞬間を朽屋は見逃さなかった。目にもとまらぬ速さで間合いを詰め、
鋭い小手、その瞬間先輩の竹刀が弾き飛ばされ床の上で激しく跳ねた。
あまりの見事さにポカーンと見つめる剣道部一同。
「やったぁぁぁ! キャンディください」
「えっ、あぁ・・・」唖然としながらキャンディを渡す部員。
楽しかった・・・という風に去って行く朽屋瑠子。
部員らが集まって朽屋に打ち込まれた防具の生徒を囲む。
「部長、い、今の・・・」
「いや、スマン、ていうか、あの子と対峙してる時・・・あの子の持ってるのが竹刀じゃな
く本物の刀を持ってるような錯覚に襲われて・・・だから、小手をくらった時に自分の手
首が切り落とされたかと思って、マジびびった・・・」
「え・・・なにそれ・・・?」
部長が命じる。
「彼女を追え、追うんだ! 捕まえろ。囲め。そして絶対に入部させろ!」

























kamaです。先ほど投稿させていただいた「より子ちゃん」の裏で起きていた一大事件を書かせていただきました。まず先に「より子ちゃん」を読まれてからこちらを読むと、面白さも倍増かと思います。
またこの「朽屋瑠子」シリーズも今回で4作目となりますので、合わせて他の朽屋瑠子シリーズも読まれると世界観が広がると思います。
あと、今回27ページもの大長編となってしまいました。頑張って読んでくれた方、ありがとうございます。・・・これだと誰も怪談朗読してくれないだろうから、そのうち自分でやろうかな・・・と思ってます。
まるで吸い込まれるような感じで、最後まで拝読させて戴きました。続きを早く読みたいです。
↑kamaです。27ページもあるのに読んでいただき感謝です。
朽屋瑠子シリーズは今後、短編をいくつか出しつつ、たまに長編みたいな、そんな感じで出して行こうと思ってます。
kamaです。
涼君が押し入れの鉱石採集セットを見つけてより子ちゃんに再開するシーンに、
『ローズクウォーツが抜け落ちた鉱石採集セットのように、
涼の心にもぽっかりと隙間が空いているようだった。』
という一文を追加させてもらいました。
・・・詩的でしょ?
まさに、涼君の鉱石セットのくだりがホロリと来ました。短編物も拝読させて戴きましたが、瑠子シリーズはスリルがあっていつまでも読みたくなります。
↑kamaです。ありがとうございます。どこかホロリとくるシーンがあるのって、いいですよね。怪談は怖い話ばかりじゃないと思いますし。
奇々怪々に「怖いボタン」以外も欲しいです~。
また楽しみにしていてくださいね。
ボクはより子ちゃんが泥だらけになっても涼君を追いかけるとこでホロリと来ました。
より子ちゃん単独の話だけ見ていると、子供の誕生日になぜ教会から出られないより子ちゃんが家まで来たのかわからなかったけど、これでつながりました。
↑kamaです。ありがとうございます。朽屋瑠子シリーズは、ボクの作品の裏で起きてる解決編みたいな構成で、オムニバス的に楽しめるようにしてます。これからもよろしくお願いします。
今まで投稿話の中で27ページという最長の話を投稿されたkama先生お疲れ様です。ところで今回の話も場合によっては改稿などで短くなるでしょうか?
↑kamaです。ありがとうございます。改稿の可能性は無いとは言えませんが、今のところは「やり切った感」が強いので、あったとしてもたぶん1年後とか、あるいは改稿しないか・・・という感じです。そうですね・・・やるとしたら戦争の歴史を説明している部分をもう少しはしょるとか・・・ですかね。でもあの部分もより子ちゃん親子がいかにして生涯を閉じたかの部分なのでバックボーンとしては残しておきたい気もしますし。まぁとりあえず今は次の作品を出すことの方を優先したいと思ってます。ありがとうございます。
色々な方の長編作品を読んでいた際にkana様のクッチャルコシリーズを見つけ、初投稿から読ませていただいているのですがこの話で先に読んでいた作品と繋がってとてもテンション上がりました…!!
本当に楽しく読ませていただいてます!!ファンです!!!