見ててね
投稿者:N (13)
長編
2023/02/04
21:45
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だが、彼女の右肘あたりが何か異様に赤黒くなってて、長袖だったんだけど、明らかに折れてるというか、不自然に揺れてる感じになってた。
その後、案外早く救急車が来てくれたんだけど、彼女が運ばれる際に事故った車を見ると、助手席にあの子供の幽霊がちょこんと座ってて、満面の笑みをこっちに向けてた。
結局、彼女は右腕を事故で失った。
事故当初は彼女も腕を失った事から酷く錯乱してて、時には落ち込み泣き続けていたが、俺は彼女を慰め続けた。
絶望する彼女に「幽霊がやったかもしれない」なんて死んでも言えないが、俺はあの幽霊の仕業だとすれば彼女の欠損事故は俺のせいだと自己嫌悪した。
俺が肝試しなんかに行かなければこんな事にならなかったはずだ。
だから俺はずっと彼女を支え続けると決めたし、一生側にいると決めて、結婚も考えている。
ただ、彼女は腕を失った絶望感を忘れる事は無いし、俺も幽霊に憑かれて彼女を事故に遭わせた負い目に一生苛まれるのだろう。
因みに、例の幽霊は彼女の事故以来姿を見せて来ない。
俺の近くにいるのか居ないのか判断に困るが、このまま離れてくれている事を願うばかりだ。
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なかなか怖かった
何で早くお祓いしなかったのかな?
↑確かに。