3歳の長女、1歳の次女とともに、自宅で昼食をとっていた時のことです。
ダイニングテーブルについて左右に子どもたちを座らせ、あれこれと世話を焼いていると、長女がなにやら床を指差してこう言いました。
「見て!あそこに誰かいるよ」
もちろん誰もいるわけはありません。3歳なのでまだ言葉の使い方がままならないんだなーと長女の指さす方を見ると、ローテーブルの下に小さなだるまがきちんと立ってこちらを向いていました。
おもちゃや脱いだ上着などが雑然と散らばっている中にぽつんと立っているだるまになんとなく気味の悪いものを感じました。このだるまは、義母の家にあったものを子どもたちがおもちゃがわりにして遊んでしまい、そのまま持ってきてしまったものです。
返しておけばよかったと思いながら
「ほんとだね、だるまさんがいるね」
と答えました。なにかしら返事しないと何度でも言い続けるお年頃です。
長女ははっきりと首を横に振りました。
「ちがうよ!小さい人が、ほらあっちからあっちに、歩いてるでしょ?ほら、ほら!」
「小さい人がいるの?そっかーすごいねえ。ほらごはん食べよう?」
「ママ見て!ほら!歩いてる!ねえママ!ママ!!」
私は怖くなって話をそらしました。娘には何が見えていたのか…
小さなだるまはすぐに義母に返しました。
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達磨さんの精霊か達磨に乗り移った「何か」でしょう。
「いる」を書いたのが「ルカ」さんで、つい、イルカを想像してしまう。
義実家から勝手に持って帰ったらダルマも寂しいじゃないかと。