【クモ男事件】-事件記者 朽屋瑠子-
投稿者:kana (216)
(これだ、彼氏に先に取材してたら、たぶん彼女は怒って会ってくれないか、
あるいは非協力的だったはず。だけど彼女に先に会ってご機嫌を取れば、ホレこの通り、
ちゃんと連絡が行ってるもんネ。やっぱ女の子とは仲良くしとかなきゃね~)
「えぇもう、そのくらい、いくらでも経費で落とせますからご心配なく~」
「で、あの事故の件を取材されてるとか?」
「ハイ、ちょっと不可解な点もありまして」
「でも誰も犠牲にならずに済んだラッキーな事故ですよね。ラッキーというのも変ですけど」
「そうですね、ただそれはあなたがた4人がバスを降りたからであって、
乗っていれば間違いなく・・・」
「うっ、・・・そうですか・・・じゃあ、彼らに感謝した方がいいのかな・・・」
「彼ら?並びに座ってたお二方にですか?」
「ええ・・・。その・・・でも朽屋さん、笑わないで聞いてもらえますか?」
「ハイ、もちろんです」
「警察にも言ったんですが、たぶん気を失ってる時に夢でも見たんだろうと一蹴されまして・・・」
「いえ、お聞かせください。現に並びの二人は行方不明です」
「彼ら、ボクに手品を見せるといって、恐ろしいものを見せたんです」
「恐ろしいもの?」
「その・・・通路を挟んでボクの横に若い女性が座っていまして・・・」
「お胸の大きい女性ですね?」
「あはは、そう・・・すごく・・・いや、そうですね。で、奥に黒服の男が座ってて・・・
その男が、途中休憩のパーキングエリアで停まった時にボクに手品を見せると・・・」
「彼女さんは?ほかの乗客もいたんですか?」
「いえ、バスの中はボクと彼らの三人だけで、みんなまだ休憩から戻って来てなかったんです」
(怪しいな。固有結界?)
「で、男の方が女性の服を切り裂きだして・・・」
「ほほぅ、デカ美ちゃんの服を!」身を乗り出す朽屋。
「あっけに取られて見ていると、今度は刃物を出してきてその子の背中を切り開いて・・・」
「ウッ、く・・・」後ろに下がる朽屋。
「あげくに内臓を取り出してボクに見せたんです。蝶の羽根みたいだろ?って。
それでボクは気持ちが悪くなって・・・」
新年あけましておめでとうございます。kamaです。
こちらの作品を読む前に、前日譚として私の作品、
「恐怖! 地獄極楽夜行バス」を御一読されると、より作品が楽しめるかと思います。
また前作「事件記者 朽屋瑠子」も併せてお読みいただくと、より世界観が広がって楽しめるかと思います。よろしくお願いします。
元日早々に第二段投稿するとは早い。