【クモ男事件】-事件記者 朽屋瑠子-
投稿者:kana (216)
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「この度は取材をお受けいただきありがとうございます。私は雑誌記者の朽屋瑠子といいます」
「クッチャ・・・ルコさん?」(外国の方かしら・・・)
「え~、く・ち・や、朽屋瑠子でございます」
「あぁ、朽屋さんでしたか、失礼しました。でも、私、あの事故のことでしたら
警察にも言いましたけど、私たちはなんにも関係ないんでいすよ。ホントに偶然なんです」
「確か、地方のテーマパークに行かれる途中で彼氏さんが急に体調を崩され・・・」
「えぇ、バスの運転手さんに断って、救急車で病院へ。
そしてそのまま朝まで検査とか点滴とかで、
事故の事を知ったのは帰宅する途中に駅のテレビを見てですから・・・
私たちもびっくりしてたんです。これも幸運なのか、不幸なのか、わかりませんけど」
「いや~でも、せっかくのテーマパーク行きがオジャンになって辛かったですよね」
「そうなんですよ、旅行費用全部パーですよ~また一から貯金しないと」
「えへへ~そうですよね、そう思って、ジャジャーーーン!!テーマパーク無料招待券~~」
「ええっ!!頂けるんですか~~」
「ええ、今度は新幹線で行ってください~」
「きゃーやったぁぁ!!ありがとうございます!もう何でも聞いてください!!」
「あの、並びの列にもうお二方いらしたと思うんですが、そちらとは・・・」
「あぁ、ぜんっぜん無関係ですよ。すっごいパイパイのデカイ女の子と、
あとよく見えなかったけど黒服のオジサン。私、すぐカーテン閉めちゃって、
そのあと一度も顔合わせずだから、バスからいなくなってたのも知らなくて・・・」
どうやら彼女の方からはこれ以上何も情報は得られそうもない。
次は彼氏の方を当たってみよう。
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都内某所の喫茶店。朽屋と取材対象の彼が向かい合っていた。
「はじめまして、私・・・」
「朽屋瑠子さんですよね、はじめまして、よろしくお願いします」
(やった、初対面の人にちゃんと名前言ってもらえた!)
「あのぉ、テーマパークの無料招待券も頂いたみたいで、ほんとありがとうございます。
彼女喜んでLINEくれたんですよ。朽屋さんからもらったって」
新年あけましておめでとうございます。kamaです。
こちらの作品を読む前に、前日譚として私の作品、
「恐怖! 地獄極楽夜行バス」を御一読されると、より作品が楽しめるかと思います。
また前作「事件記者 朽屋瑠子」も併せてお読みいただくと、より世界観が広がって楽しめるかと思います。よろしくお願いします。
元日早々に第二段投稿するとは早い。