事件記者 朽屋瑠子
投稿者:kana (210)
「きゃんきゃん」
鳴き声が足元の方からする。
「うわっ」
思わず声が出てのけぞった。
布に包まれたモノが、モゾモゾと動いている。
まるで巨大なイモムシのようだ。
朽屋はその布をゆっくりめくっていく。
・・・すると中から、まだ幼い仔犬が現れた。
「あらま~、お~よちよち、おまえどこから来たんじゃ?」
思わず赤ちゃん言葉で語りかけて、仔犬を撫でてみる朽屋。
そのまま抱っこして室内に連れ戻る。
ランタンの下で仔犬を見てみる。
仔犬には足が無く、包帯を巻かれた状態で、もぞもぞ動いていた。
目には涙が流れたような痕が見えるが、その目は無く、黒々と穴のように
深い闇になっていた。
明らかにこの仔犬は霊体であった。生きた犬ではない。
「おまえ・・・この世に未練があるのか?・・・」
・・・違う。朽屋は思った。この子は自分が死んだことも理解していないのだ。
朽屋はその仔犬を胸元に抱きかかえ、かすかな声で呪文のようなものを唱えだした。
次に小さな声でつぶやく。「・・・・迷えるものよ 我にその声を聞かせよ・・・」
「おじいちゃんはどこ? おじいちゃんはどこにいるの?」
仔犬の魂が朽屋の心の中に語り掛けてくる。
「そうかおまえ、ノテさんを探していたのか・・・」
「おじいちゃんはとっても優しくてエライ人なんだよ!
ボク、寝ていたら急に足がとれちゃって、痛くてびっくりしたんだけど、
おじいちゃんが包帯を巻いて治してくれたんだ!
おいしいご飯もくれたよ」
「そうかそうか」
kamaです。
こちらのお話を読む前に、私の投稿した「狩り宿の男」と「狩りの真実」をお読みになられると、前日譚としてより作品が楽しく読めると思います。
よろしくお願いします。
kamaです。
主人公の朽屋瑠子の声は、にじさんじのVtuber、レイン・パターソンさんの声をイメージしながら書きました。
前日譚とどちらも読ませていただきました!
とても読んでいて夢中になれる文章で素敵でした…..!
描写が細かくて、情景がわかりやすく脳裏に浮かんできて読みやすかったです!
続きも楽しみにしてます、!
↑kamaです。たくさん読んでいただいてありがとうございます。感謝!!
次回の予定は来年ですか?
↑kamaです。
次回作は来年になりそうですね。
他にも投稿しておきたい作品がたくさんありますので、次回のクッチャルコはお正月休みにじっくり書きたいと思います。
そう言えば確か以前に猪にまつわる話を投稿されましたが「殺生石」の周りで猪の死骸が発見したみたいだな。
↑なんだか意味深ですね。
おちゃらけて始まったから笑える話かなと思ったら
途中「スゴイ!お姉ちゃんもスゴイ!人間ってスゴイんだね!人間大好き!!」って子犬のセリフで
(´;ω;`)ブワッ ってなった。
↑kamaです。ありがとうございます。犬好きな人にはかわいそうなシーンもあり、申し訳ないです。
kamaです。
19ページ目にあった
「実は朽屋が寝てしまったあとにリーダーがあれこれいじりまわして遊んでいたらしい。」
という文章は、リーダーが朽屋の体をいじってるようにも読めてセンシティブでしたので、
「実は朽屋が眠っている間にリーダーがこのライフルをいじりまわして遊んでいたらしい。」
に変更させていただきました。
投稿後にも変更できるのが奇々怪々さんのいいところですね。
一昔前のSSをみたいで読みやすくて面白いです。クッチャルコはそのうち「キミたち〜!」とか言い始めるんですか?w
↑kamaです。どこかでいれますかw
獣医の犬の話しとか犬系多いですね
犬飼ってるんですか?
↑kamaです。
今は飼ってませんが犬も猫も鳥もハムスターも飼ってたことがあります。