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意味怖(意味がわかると怖い話)

件の首さんによる意味怖(意味がわかると怖い話)にまつわる怖い話の投稿です

ストーカー
短編 2022/10/29 21:22 2,784view
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 一昨日から、視線を感じるようになった。

 私は経理事務をやっている。
 地元の小さな会社なので、どちらかというとお茶くみや電話番の方が主で、忙しいばかりでやり甲斐はあまりない。
 もっとも、この職場は近々辞める目処がついていた。
 理由はいわゆる寿退社。
 母から聞いた言葉なので、最近はあまり言わないだろうか。
 相手は学生時代から付き合っていたヨシハルで、地元の広告代理店、というかフリーペーパーを作っている会社に勤めている。

 先週末、ヨシハルのマンションに行った。
 週末を一緒に過ごすのがいつもの事になっていた。
 アルコールと平日の疲れからか、23時頃には、どちらともなく寝息を立て始めた。

 ふと、目が覚めた。
 隣りにいるはずのヨシハルの姿がない。
 トイレにでも行ったのかな、と思っていたのだが、かすかにヨシハルの声が聞こえた。
 誰かと話している。
 そう気付いて、私はベッドを降りた。
 リビングとの間をしきる引き戸から、光が漏れる。
『――分かってるよ、来週末はお前んとこ行くから』
 ヨシハルは、電話をしていた。
『え? あいつなんて別にどうでも良いよ、腐れ縁だって』
 引き戸に防音効果はない。

 会話はほとんど筒抜けだった。
 全てを聞くまでもなく、ヨシハルの浮気相手だと分かった。ひょっとしたら私が浮気相手だったのかも知れないが、結果はどちらでも良い。
 踏み込んで怒鳴って別れるか。
 すがりついて私だけを見てと懇願するか。
 考えながら戸を開けた。
 ヨシハルは、声が飛ばないようにしているのか、壁の方を向いてスマホで電話をしていた。
 テーブルの上を片付けないままだった。
 チキンを切り分けた包丁がそのままだった。

 やはり、まだ視線を感じる。
 やっぱり焼酎漬けは成功だった。
 一番大きい梅酒瓶の中で、首だけにしたヨシハルが、見開いた目で私を見ている。
 好きな人の視線を受けるのは、やっぱり気分が良いものだ。

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コメント(3)
  • 何これ。
    小説?夢?

    2022/10/29/23:54
  • ガサ入れ来ましたか。

    2022/10/30/21:06
  • この女の人ヤバみ

    2022/12/15/16:52

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