日本人形とクラスメイトの被害
投稿者:音松 (11)
鳥居の前に到着。
さっきいなかったはずの髪の毛が短い日本人形が居た。
恐怖のあまりみんなで叫んだ。
この鳥居と小屋の近くに家はない。
そしてこの通りに小さな病院と、社会科見学をした工場があるだけで誰かが日本人形を置いたり、片付けたりしているとは考えにくいのです。
だからこそ不気味で怖い。
好奇心旺盛な私たちは、恐怖を感じながらも自転車から降りて小屋の近くに行ってみた。
小屋の中を覗いてみると、色々な日本人形が投げられたかのように乱雑な状態で入っていた。
髪の毛が短い日本人形も居れば、1m近く髪の毛が伸びている日本人形も居る。
着物を着ていない裸の日本人形も居れば、布のようなもので顔だけ隠されている日本人形も居た。
どうしてこんな状態なのかは不明だが、夕方の薄暗さがより不気味さと怖さを増していた。
男子の1人が「ここに居るとマジで呪われるぞ!帰るぞ!」と言い、この日は後にしました。
−翌日−
いつものように登校し、昨日のことが忘れられなかった私たちはこの日も日本人形のことで話が持ちきりになった。
担任の先生が教室に入って来るや否や、不安そうな顔で「今日は田中君はお休みだそうです」と言った。
田中君は、昨日1番最初に鳥居の横を通って大きな声で色々と話していた男子。
そして放課後、私を含むクラスメイト数人であの場所に行った男子でもある。
クラスメイトは「なんで?」「どうして?」「体調悪いの?」と一斉に口を開いた。
先生は、「昨日の夜から急に体調が悪くなったみたいで…あまりにも辛そうにしていたからお母さんが心配をして夜間救急に連れて行ったみたいなんだけど、原因が分からななかったらしくて今はお家で安静にしているみたい」と言った。
先生の言葉にクラスが一瞬で静かになり、子どもでも分かる嫌な空気へと変わった。
朝の会が終わり、昨日放課後に集まった私を含むクラスメイト達は「絶対日本人形じゃない?」「昨日あんなに元気だったのにおかしいよね」と、再びあの場所の話を始めた。
田中君の次に誰がどうなるのか不安で仕方がなかった私たちは、先生に許可を取ってもらい、放課後田中君の家に行った。
田中君曰く、昨日の帰宅後にいきなり吐き気・めまい・耳鳴り・頭痛が起きたそう。
原因を知りたいがために子どもながら意を決して私たちは再び昨日と同じメンバーであの場所へと行ってみた。
外にもいたはずの日本人形が全て小さな小屋の中に入っていた。
そして小屋の中の日本人形の数が明らかに増えていて、覗かなくてもどのくらい入っているのかが外からでもわかった。
呪われたくない私たちは叫んだり、悲鳴をあげたり、悪いことは言わないようにした。
日本人形が小屋の中に入っていただけで、これといって特に変わった様子はなかった。
このことを田中君に報告すべく、再び田中くん家へと向かった。
その道中で1人の女の子が自転車ごと倒れて膝を怪我した。
血が止まらず女の子も泣いている。
各々が持っていたハンカチやティッシュ、絆創膏などを使って処置をした。
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