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ヒトコワ

音松さんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

空白の18年間
長編 2022/03/22 13:00 8,597view
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私が小学2年生の時に両親が離婚し、それからは父と姉と私の3人で賃貸アパートに住んでいた。

小学5年生の時、放課後友達と2人で遊んでいたらいつの間にか日が落ち始めていた。
夢中で遊んでいたため日が落ちる前の防災チャイムが聞こえなかったのだ。

急いで帰る支度をし、家が反対方向の友達に手を振り急いで学校を後にした。

薄暗い中での1人下校。

「怖い」という気持ちよりも、1人になったことに対して急に寂しさを感じた。

だってさっきまですごく楽しかったのに、家に帰ってもつまらないから。

私の家は父子家庭だからどんな時間に帰ってもいつも私が1番。

姉は中学生で部活動もしていて帰りが遅い、そして父はダブルワークをしているためあまり家に居ないからだ。

そんなことを考えながら何とも言えない気持ちで家に向かった。

学校から家までは徒歩30分ほど。

10分程歩き、ふと後ろを見たら50m先くらいに男の人が1人居た。

田舎ということもあって車通りはほとんどなく、どの家庭も夕ご飯の支度をしている時間帯のため人通りもほとんどない。

それから5分程歩いても男の人は後ろに居た。

同じ方向に歩いている感じではなく、後をつけられている感じだった。

考えれば考えるほど恐怖を感じ、家に帰っても誰もいない不安感が募りました。

通学路としては通らない道から速足で家に向かうことにした。

だが、男の人は変わらず付いてくる。

「あと少しで家」と唱えるように何度も心の中で言った。

やっと家が見えた。

安心感と恐怖を感じつつ鍵っ子だった私は速足のままランドセルから鍵を取り出し、握りしめながらさっきよりもスピードをあげた。

私の家はアパートの2階。

外階段を一気に駆け上がり、無事家に帰ることができた。

カーテンの隙間からこっそりと外を見ると男の人が一瞬こっちを見て、何事もなかったかのようにさっき来た道を戻っていった。

−翌日−

学校が終わり、遊ぶことなく同じ方面に帰る友達と下校した。

友達の家の方が学校に近かったため途中から私は1人での下校になる。

1人になった途端昨日のことがふと蘇り、後ろを振り向いたがこの日は誰もいなかった。

安心していたのも束の間…。

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コメント(3)
  • 18年もの間、子供と離れ離れで働かされてたとかかな
    どんな気持ちだったのだろう

    2022/03/22/17:24
  • こうなりたくないな

    2023/03/13/10:40
  • 可哀そう

    2023/03/13/10:40

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