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ヒトコワ

ねこじろうさんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

どんな人の心の中にも潜んでいる闇の話
長編 2022/09/10 20:20 7,185view
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私は今年26になる独身女性です。

とても言い辛いんですが私は右足が少し不自由なんです。
膝がきちんと曲がらなくて、歩いたり走ったりすると、ぎこちなくなります。
たまに無神経な友人とかが、何でそんな風になったの?と聞いてきたりします。
そんな時、私はだいたい笑ってごまかすのですが、本当に仲の良い友人にはこの話をします。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

それは私が小学校3年生の時のことでした。

私は、両親そして1つ上の兄と一緒に、郊外の古い住宅街にある二階建ての家に住んでおりました。
その住宅街は、同じような造りの家が垣根を境にして並んでました。

それは夏休みの時のある日。

当時ヤンチャだった私は、庭の柿木によじ登って遊んでいて誤って地面に落下してしまい、足を挫いてしまったのです。

初めは軽い打ち身かと思っていたのですが、いつまで経っても痛みが消えなくて母に連れられて病院に行って診てもらうと、なんと小指にヒビが入っていたのです。
それで私の右足にはぐるぐる包帯が巻かれて、しばらく家でじっとしとかないといけなくなりました。

うちは両親が共働きで、朝から夕方まで家には私と兄がいるだけでした。
兄はだいたい午後から外に遊びに出てましたから、それからは広い家に私は1人でいました。

病院で治療を受けてから10日ほど経ったくらいに、足も大分良くなってきて、午前中は和室で兄と一緒に夏休みの宿題をして、午後からは庭を歩いたりしてました。その日は特に日射しが強くて、ちょっと歩くだけでジワリと汗が出てきたので、縁側に座りジュースを飲んで涼んでいると、突然どこからか女の人の声がします。

「あらまあ○○ちゃん、もう大分歩けるようになったのね。本当に良かったわあ」

驚いて見ると、庭の垣根の上に満面の笑みを浮かべた女の人の白い顔があります。
隣で1人暮らしをしている小阪のおばちゃんです。
ショートの茶髪にふっくらした顔。
いつも笑顔を絶やさない明るい人で、たまにお裾分けと言って鍋に入れたシチューとかを持ってうちに訪ねてきたりします。
私が足をケガしたということを知った時も、お花とお菓子を持ってきてくれました。

人当たりの良いとても良い人だったのですが、何故か私は素直に好きになれませんでした。
別に意地悪されたとかそんなことではないのですが、いつも浮かべている笑顔が何だかお面を付けているみたいで、凄くわざとらしく感じていたのだと思います。
そのことを母に言うと、「そんなこと言わないの。
あの人はあの年齢までずっと独身でご主人も子供もいないから、いつも誰にでも優しくするようにしてるのよ」と母は言いました。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

それは足ももう治りかけた、ある日のこと。

和室のタンスの上に置いてあった、私のお気に入りの人形がなくなってました。
仕事から帰ってきた母に聞くと、
「あれはもう汚れてぼろぼろだったから、昨晩ゴミステーションに置いてきたよ」とあっさり言い放ちます。
その人形は、要らなくなった洋服とかで母が作ってくれたお粗末なものだったのですが、何故か私は気に入っていて、小さい頃から肌身離さず持っていたのでした。
悔しくてその時母には文句を言ったのですが、もう後の祭りでした。

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コメント(2)
  • とんでもないBBAすね

    2022/09/10/22:02
  • なぜそんなに恨まれてたのか不明

    2022/09/11/00:58

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