どんな人の心の中にも潜んでいる闇の話
投稿者:ねこじろう (149)
その数日後ようやく右足が治った私は、朝から兄と一緒に近くの林に虫取りに出掛けました。
私の住んでいた家は、山を削って作られた住宅街の一角にあったから、少し歩くと林とかがあちこちありました。
林の中である程度虫を捕獲し、さあ戻ろうかと林道を2人で歩いていると、突然右側の山肌から数個の石が転がってきて、その1個が運悪く私の膝に当たってしまったのです。
あまりの痛さに私はその場にうずくまりました。
見ると膝小僧の表面がぱっくり割れ、血が出ています。
兄に連れられて何とか病院に行き、すぐに外科治療を受けたのですが、膝の皿を痛めていたみたいで全治一月と言われました。
なんということでしょう。
やっと右足の小指が完治したかと思ったら、今度は右膝のケガでまた安静となってしまったのです。
私は自分の運の無さに愕然としました。
これは下手をすると、夏休み中、ケガの養生のために家にいないといけなくなりそうです。
さすがにこれには、父も母も呆れ返っていました。
そして、ケガをしてから2日後の夕刻のこと。
小阪のおばちゃんが心配をして訪ねてきました。
玄関口で母が応対していたのですが、10分ほどいろいろしゃべって帰っていきました。
後から母が2階の私の部屋に、おばちゃんがお見舞いに持ってきたという、お花とケーキを持ってきてくれました。
ベッドの端に座ってショートケーキを食べていると、横に座った母が、
「これもね、小阪のおばちゃんがあなたにって持ってきたものよ」と言って、小さな御守りを私の横にそっと置きました。
この時ばかりは、私もおばちゃんの優しさに泣きそうになったことを憶えてます。
それから数日後のこと。
私は朝からずっと、トイレ以外はベッドに横になっていました。
食べ物は、ベッド脇にある丸テーブルの上に、母が調理パンやジュースを置いてくれてました。
午前中はスマホを触ったり、パンを食べたりして過ごしていたのですが、昼過ぎくらいになるとうとうとしだして、それからしばらく眠っていたようで、近くの公民館から流れてくる3時を報せるBGMで目が覚まされました。
そしてそのままじっと天井を眺めていた時です。
ゴン!、、ゴン!、、ゴン!、、
どこからか何か石をぶつけるような音が聞こえてきます。
ゴン!、、ゴン!、、ゴン!、、
それと一緒に、なにやらブツブツ人の声も聞こえてきます。
─何だろう?
私は音のする先を突き止めるように耳を澄ましました。
それはどうやら窓の外から聞こえてきます。
半身を起こし、カーテンの隙間から外を覗いてみました。
2階にある私の部屋の窓からは、家の庭と垣根を隔てた隣の庭まで見渡せます。
さらに目を凝らすと、隣の庭の片隅で人がしゃがんで何かしているのが見えました。
あれはどうやら、小阪のおばちゃんのようです。
とんでもないBBAすね
なぜそんなに恨まれてたのか不明