——監視カメラの私——
いつからだったかなぁ。
こんな天井に近い所から部屋を見下ろすようになったのは。
何日も、何日もここにいる。
でも、本当はここにはいないのかもしれない。
どこか遠くから、ここを見ている。
そんなある日、二人の警察官がやってきた。
「この部屋に本当にあんのかなぁ」
二人はきょろきょろと部屋を見渡す。そしてしばらくすると私と目が合った。
「うぉお!?なんで……」
『天袋(天井に近い棚)に眼球が入ってるんだ』
——警察官——
花庭陸(はなにわりく)が見つかってから一ヶ月後、この家で殺人事件が起こった。
犯人は花庭陸を殺害した者と同一人物と思われ、現在行方が分かっていない。
殺されたのは「間戸 蓮菜(まど はすな)」、遺体は少し離れた山の中に遺棄されたが、眼球だけ見つからなかった。
犯人の家宅捜査をしていると、天井付近で目が合った。
それは天袋の戸の隙間から覗く、眼球だった。
その眼球は今にも動き出しそうで、俺は視線を背(そむ)けた。
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